韓国は2030年までの炭素排出量40%削減、2050年の炭素中立(カーボンニュートラル)を宣言するなど、気候変動への対応に積極的な態度を表明したにもかかわらず、気候政策と履行の水準は依然として最下位圏との評価を受けている。
国際評価機関「ジャーマンウォッチ」と、気候変動の研究団体「ニュークライミット研究所(NewClimate Institute)」は9日、世界の温室効果ガス排出の90%を占める60カ国と欧州連合の気候政策、およびその実施の水準を評価した17回目の「気候変動パフォーマンス・インデックス(CCPI)」を発表した。
韓国のCCPIは64カ国(上位3カ国はどの国も評価基準を満たしていないため、空席として残された)中59位だった。韓国よりも下位にあるのは台湾、カナダ、イラン、サウジアラビア、カザフスタンの5カ国のみ。昨年、韓国は61カ国中53位だった。今年は様々な気候対策を発表したにも関わらず、依然として国際的評価は最下位圏にとどまっている。最も高評価を受けた国はデンマークで、続いてスウェーデン、ノルウェー、英国の順だった。
CCPIは、調査対象国を温室効果ガス排出、再生可能エネルギー、エネルギー消費、気候政策の4部門でそれぞれ点数をつけて評価し、すべての点数を合算して総合点を算出する。韓国は温室効果ガス排出とエネルギー消費の部門で「非常に低い」との評価を、再生可能エネルギーと気候政策の部門で「低い」との評価を受けた。
韓国は、今年4月に文在寅(ムン・ジェイン)大統領が気候サミットで海外の石炭への投資を中止すると宣言したほか、8月にはカーボンニュートラル基本法を制定し、2030年までに温室効果ガスを対2018年比35%以上削減することを法制化している。しかし専門家の間では、1.5度目標を達成するには不十分と評価されており、政策部門では昨年と同様に良い評価が受けられなかった。
気候ソルーションのハン・ガヒ研究員は「韓国は今年に入って気候に関する様々な目標を複数回にわたって発表したうえ、気候宣言も行ったにもかかわらず、CCPIの順位が依然として下位圏であるということは、それらの発表を履行する実際の政策水準が大きな意味を成していないということを意味する。カーボンニュートラルの達成を阻害する根本的な問題を把握したうえで解決すべき」と述べた。