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「会社にオールイン」50億ウォンの退職金得た議員息子の釈明に若者層「怒り」

登録:2021-09-28 10:26 修正:2021-09-28 12:48
50億ウォンの退職金を得たクァク・サンド議員の息子 
「株やコインよりも会社に全力 
父の紹介で入社した」など立場表明文で釈明 
 
一般会社員や若者たち、虚しさを訴え 
「株はまぐれ当たりで特権就職は堂々としているのか 
話にならない立場表明にもっと腹が立つ」 
SNSで風刺画像のシェアも
27日午前、瑞草区のソウル中央地検で共に民主党のチョン・ヨンギ議員(左から2人目)が、国民の力から離党したクァク・サンド議員を公職選挙法違反及び情報通信網法違反で告発する内容の告発状を持って発言している/聯合ニュース

 会社員のPさん(32)は、火天大有資産管理(火天大有)から退職金として50億ウォン(約4億7千万円)を受け取ったというクァク・サンド前「国民の力」議員の息子のK氏(31)の「立場表明文」を読み、怒りがこみ上げてきたと話した。K氏とほぼ同じ月給(300万ウォン、約28万円)をもらっているというPさんは「会社に“全力”を注いで働いて10年になるが、私の予想退職金額はK氏の100分の1にもならない水準。多くの会社員がK氏ほど頑張っていないからこの程度だというんでしょうか。話にもならない立場表明文に、いっそう腹が立ちます」。平凡な会社員や20~30代は特に、「株やコインにオールイン(全力を注ぐこと)するよりも、火天大有にオールインして働いた」「自分は(ネットフリックスのドラマ)『イカゲーム』の中のコマにすぎない」などと述べたK氏の釈明に対し、虚しさと剥奪感を訴えている。

 27日、SNSやオンライン上のコミュニティには「本物のファイヤー族(経済的自立、早期退職)だ」「(退職金50億ウォンをくれる)こんな会社に自分も就職したい」など、「退職金50億ウォン」の非現実性を皮肉る書き込みが次々と掲載されていた。会社員のAさん(29)は「一般人も会社にすべてを賭けているのに、だったらなぜ退職金として50億ウォンをもらえないのか。一体どの企業が退職金として50億ウォンをくれるのか」と反問した。オンラインでは、30大グループの専門経営者の退職金の現状を示す資料でクァク議員の息子が上位グループに上がっているという風刺画像がシェアされている。

 特に20~30代の会社員らは、K氏が「父親の七光り」に対する問題意識を全く感じていないことに憤りを覚えている。K氏は立場表明で「父の紹介で火天大有に入社した」とし「株やコインにオールインするよりも火天大有にオールインすれば大当りすると思い、この会社にすべてを賭けた」と書いた。今年、会社員たちの間で株や仮想通貨への投資ブームが起きたが、これは勤労所得では未来を描くことのできない人々が不安を募らせて飛び込んだものという分析が多かった。

 昨年から毎月月給350万ウォンのうち50万ウォンずつを株に投資しているという会社員のKさん(31)は「不動産は夢にも考えられないほど上昇し、何とか株で財テクをしているのに、株やコインはまぐれ当たりの望みで、『特権就職』は堂々たるものなのか」と苦々しく言った。別の会社員のKさん(30)も「すべての会社員がコインや株を持っているわけでもない。その日暮らしが大変でシードマネーもなく、そんな投資もできない」とし「大当りの夢」も誰でも見られるわけではないと述べた。

 K氏に渡した巨額の退職金が労災慰労金だったという火天大有の関係者の言葉も俎上に上った。火天大有側は「50億ウォン」について「退職金3千万ウォン、成果給5億ウォン、労災慰労金44億ウォンを合わせて50億ウォンになった」と説明した。一般企業で労働者の労災にこのような天文学的な金額が慰労金として支給される事例はない。ネットユーザーからは「失明したり手足に大怪我を負っても50億ウォンはもらえないはずだが」「韓国企業がこれほど労働者に温かい文化を持っていたとは」などと冷笑する反応も出ている。

パク・スジ、イ・ジュビン、ソ・ヘミ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1012955.html韓国語原文入力:2021-09-28 02:36
訳C.M

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