韓国野党議員の息子、「火天大有」から巨額の退職金…大統領選候補めぐり攻防反転
チュ・ミエ元法相「宝くじほどの退職金」
「国民の力の不正の実体」捜査求める
野党候補ら、「特検捜査」重ねて要求
野党の国民の力のクァク・サンド議員の息子が、（株）火天大有資産管理から50億ウォン（約4億7千万円）を退職金の名目で受け取った事実が明らかになり、与党はクァク議員側に渡った50億ウォンの性格を明らかにすべきだと全面攻勢に出た。イ・ジェミョン京畿道知事が城南（ソンナム）市長に就いていた時期、開発事業で民間が過度な利得を得たという理由で、イ知事との関連疑惑を提起していた国民の力は、所属議員の息子が火天大有から巨額の退職金を得た事実が明らかになり、苦しい立場に立たされた。党指導部で懲戒論議が始まるとクァク議員が自ら離党し、「とかげの尻尾切り」との批判も避けられなくなった。
与党の共に民主党は、これまでイ知事ら与党に向けてきた国民の力の根拠のない疑惑煽りが、結局自分たちにはね返ったのだとし、クァク議員の息子に渡った50億ウォンの性格を捜査を通じて明らかにすべきだと主張した。イ・ジェミョン陣営の大庄洞（テジャンドン）TFは同日の緊急記者会見で「捜査機関は直ちに（クァク議員の息子が受け取った50億ウォンが）第3者賄賂罪でないか捜査すべきだ」と強調した。イ知事もこの日、フェイスブックへの書き込みで「クァク議員は自分の息子が受け取った50億はイ・ジェミョンの設計のためだと言う。この調子ではそのうち『50億ウォンを受け取った人は私の息子ではなくイ・ジェミョンの息子だ』とでも言いそうだ」と皮肉った。また「（クァク議員の息子に渡った）50億ウォンはウォン・ユチョル議員の（火天大有の）顧問料のように、朴槿恵（パク・クネ）政権と国民の力が城南市の公共開発を阻止した見返りとしての賄賂の一部と疑われる」とし、「今出ている国民の力の関連者は氷山の一角だろう」と付け加えた。さらに「尻尾を切ってもとかげはとかげだ」とし、クァク議員の離党を「卑怯なやり口」と批判した。
民主党の大統領選候補者らも、捜査機関の徹底的な捜査を求めた。イ・ナギョン陣営の報道担当のイ・ビョンフン議員は「『父クァク・サンド議員』がいなくても、50億ウォンをもらえただろうか」とし、「関係者らは政争ではなく検察と警察の捜査を通じて真相を明らかにすることに協力すべきだ」と述べた。クァク議員が文在寅（ムン・ジェイン）大統領の息子で芸術作家のムン・ジュニョン氏に対する芸術家支援について重ねて問題視したことも攻撃の的になった。チュ・ミエ元法務部長官は「父親がクァク・サンド議員でなかったら、宝くじほどの（退職金）支給は可能だっただろうか」と問い、「公募による芸術支援金も大統領のバックがあったからだと決めつけたクァク・サンド議員だ。普段からの彼の哲学と所信通り、徹底的に捜査せよ」と一喝した。民主党のハン・ジュンホ院内報道担当も「国民の力の不正問題の実体が明らかになりつつある今、最も急がれるのはクァク・サンド議員とその息子に対する徹底的で迅速な直接捜査だ」とし「クァク議員は自ら議員職を降り、捜査に積極的に協力せよ」と求めた。
国民の力は当惑の色を隠せない。大統領選に向けた党内予備選挙の討論会や指導部会議などで「火天大有なさってください」「名節に火天大有されたか」など皮肉を込めた発言（火天大有は易経の用語で大きく発展する状態であることの暗示）で、イ知事も猛攻をかけてきた国民の力の“与党攻撃カード”が、自党に向けられることになったからだ。国民の力は同日午後、緊急最高委員会議を開き、クァク議員から離党届を受け付ける形で「整理」した後、イ知事と民主党に対する特検捜査を重ねて要求した。クァク議員は同日、「大統領選の局面で党に負担をかけるわけにいかない」として自ら離党した。同党のキム・ギヒョン院内代表は同日、緊急最高委が終わった後、記者団に対し「火天大有の末端の職員も50億ウォンをもらったという。このような事実は、大庄洞の不正問題の規模がいかに巨大で、また、その関係者の権力がどれほどなのかを推測させる。設計者のイ・ジェミョン候補に尋ねたい。火天大有は誰のものなのか」と、イ知事に責任を転嫁した。
国民の力の大統領選候補たちも、特検導入を一様に要求して反撃に加わった。ユン・ソクヨル陣営のイ・サンイル広報室長は「火天大有は（退職金50億ウォンが）合法的な支給だと主張していると言うが、一般通念や常識に照らして考えれば非常に異例だ」とし、「この問題も大庄洞の他のすべての疑惑とともに特検捜査を通じて徹底的に究明されなければならない」と強調した。ホン・ジュンピョ議員も同日、フェイスブックに「大庄洞不正問題はますます佳境に入っている」とし「与野党は速やかに特検に合意し、国民の怒りを鎮めるべきだ。特検以外では真相を明らかにするのは難しい」と強調した。
訳C.M
