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韓国、防疫措置レベル4でも感染の勢い止まらず…政府「さらなる防疫強化策を検討」

登録:2021-07-29 06:43 修正:2021-07-29 08:09
先週、携帯電話の移動量がむしろ増加 
防疫当局「より強い防疫措置を検討」
今月28日、ソウル冠岳区保健所の選別診療所で、市民たちが新型コロナの検査を受けるために長蛇の列を作っている/聯合ニュース

 新型コロナウイルス感染症の第4波への対策として、韓国政府が首都圏にレベル4の社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)を適用してから28日で17日目になったが、なかなか沈静化の兆しが見えない。以前の流行時よりも累積した隠れ感染者が多いうえ、感染力の高いデルタ株が猛威を振るっている中、夏休みシーズンを迎えて移動量がかえって増えていることが政府を悩ませている。

 中央防疫対策本部(防対本)は28日現在、新規感染者が1896人で、22日(1842人)以降6日ぶりに再び新規感染者数最多記録を更新したと発表した。首都圏の国内市中感染者も1212人とこれまでで最も多く、非首都圏でも611人で、第4波以来最多を記録した。ただ、防疫当局は少なくとも急増の勢いが停滞していると診断した。中央事故収拾本部のソン・ヨンレ社会戦略班長は同日のブリーフィングで、「現在の状況を見る限り、急速な増加が続いていた首都圏での流行の勢いを遮断し、停滞させるところまでは来ている」と述べた。さらに「こうした停滞から減少の局面に転じさせることが、今後2週間で最も重要な目標」だとし、「効果を見守りながらより強い防疫措置が必要かどうかも一緒に検討しなければならない」と明らかにした

 政府の優先目標は、第4波以前の規模まで新規感染者数を減らすことだ。ただし、これまでの流行を経て地域社会に隠れ感染者が累積し、このため、基本的に毎日発生する新規感染者の規模がいつにも増して多い状況だ。しかも、感染力の高いデルタ株が国内流行を主導しているのも以前とは違う点だ。政府はさらに、コロナ禍の長期化で累積した疲労感と夏休みシーズンの移動増加も、距離措置の効果が薄くなる原因の一つとみている。

 中央災害安全対策本部(中対本)が、統計庁の提供した携帯電話移動量の資料を分析した結果、先週はむしろ全国で移動量が小幅に増えたことが分かった。19~25日の全国での移動量は2億2604万件で、直前の週(7月12~18日)の移動量(2億2417万件)より0.8%(187万件)増えた。首都圏の場合、直前の週に比べて1%(108万件)増えており、非首都圏地域も同期間に比べて0.7%(79万件)増えた。中対本の分析によると、先週の移動量は第3波が抑制され始めた今年1月第1週に比べ、当時の全国での移動量1億7500万件より28%多く、首都圏での移動量は18%多いという。

 第4波が以前の流行と異なるのは、数百人の新規感染者が発生する大規模集団感染よりも、日常での小規模接触による感染の方が多いという点にある。防疫当局は5人以上が感染した事例を「集団発生」事例とし、それ未満は感染者との接触による感染と分類する。中対本が第3波の期間(2020年11月13日~2021年1月20日)の全体新規感染者の感染経路を分析した結果によると、先行感染者との接触を通じて感染した割合は全体の感染経路の32.2%だった。一方、過去3週間の週別感染経路を見ると、先行感染者との接触の割合は7月第1週(7月4~10日)が41.4%、7月第2週(7月11~17日)が45.1%、7月第3週(7月18-24日)は49.7%だった。

ソ・ヘミ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1005608.html韓国語原文入力:2021-07-29 02:30
訳H.J

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