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韓国、非首都圏の感染確認500人突破…疾病庁長「まだピークではない」

登録:2021-07-22 05:17 修正:2021-07-26 09:48
1週間で過去最多記録更新…非首都圏30%台 
「コロナと共存する防疫を」との提案も
21日午前、ソウル松坡区の松坡区保健所に設けられた選別診療所で、コロナ検査を受けるために市民が待機している/聯合ニュース

 新型コロナウイルスの新規感染者が1784人確認され、わずか1週間で再び過去最多記録を更新した。特に非首都圏では、大邱(テグ)・慶尚北道を中心として発生した第1波以後、初めて500人を超える感染者が確認された。非首都圏の社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)のレベルを引き上げるべきだとの声があがっていると共に、これを機にワクチン接種と同時にコロナと共存する体制へと方向転換すべきだという提案もなされている。

 21日午前0時現在、24時間以内に確認された新規感染者の数は1784人。特に、国内で発生した新規感染者1726人のうち非首都圏は551人(31.9%)を占めた。500人以上は、大邱・慶尚北道で885人の感染が確認された昨年の第1波以降初めて。非首都圏で感染が広がっているのは、休暇シーズンの移動と共に、接客と酒類を伴う飲食店などの遊興施設発の集団感染が主な原因としてあげられる。中央防疫対策本部(防対本)は「これらの集団感染例は事例認知が遅れたことが共通しており、(感染者が)症状が現れているのに大衆利用施設や職場への出入りを続けたことによって、発生規模が拡大した」と述べた。

最近10日間の新規感染者数の推移//ハンギョレ新聞社

 拡散の勢いがますます強まる非首都圏とは異なり、首都圏は流行が先週と同規模のため、12日から適用されているソーシャル・ディスタンシングのレベル4の影響がわずかに表れているという分析が示されている。この日、仁川(インチョン)では126人と過去最多規模の新規感染者が確認されたが、ソウルは599人、京畿道は450人で、それぞれ過去最多だった13日(638人)と15日(491人)から小幅減となっている。ソウル大学医学部のキム・ユン教授(医療管理学)は「もう少し見守らなければならないと思うが、首都圏ではレベル4の効果が表れているものの、非首都圏の拡散は収まっていない状況と見るべきだ」と語った。一方、防疫当局は慎重な態度を示している。中央災害安全対策本部(中対本)のイ・ギイル第1統制官は「首都圏でレベル4を実施してから10日ほど経ったが、当初は早ければ1週間後くらいには効果が表れるとみていたがまだ効果は表れていない」としつつも「多分、今度の金曜日か土曜日くらいには患者が減ると予想する」との見通しを示した。チョン・ウンギョン疾病管理庁長はこの日、国会予算決算特別委員会の補正予算案調整小委員会に出席し、「本日最も多く増加し、増加傾向にあると思う。まだピークではない」とし「流行のピークや期間は、第3波より長くなる可能性がある」と述べた。

 このため一部の専門家は、首都圏のレベル4延長や非首都圏でのレベル引き上げなどを行うべきだと提案している。政府の生活防疫委員のキム・ドンヒョン翰林大学医学部教授(社会医学)は「首都圏はレベル4プラスアルファが必要で、非首都圏も引き上げるべき」とし「(新規感染者数が)2000人を超えて疫学調査ができないほどになれば、封鎖に近い移動制限や在宅勤務活性化を含めた強力な措置が取られるよう準備すべき」と語った。同じく政府の生活防疫委員のイ・ジェガプ翰林大学江南聖心病院教授(感染内科)も、「ピークに達した首都圏は現在の状態が一定期間続き、非首都圏は増え続けるだろう。首都圏のレベル4延長は避けられず、非首都圏の一部地域もレベルを引き上げなければならない状況だ」と述べた。

 一方、長期にわたるソーシャル・ディスタンシングによる疲れのため、強力な防疫措置によっても拡散を抑えることは難しいことから、ワクチン接種を通じて低下しつつある致命率を根拠として、ウイルスと共存する防疫へと観点を転換すべきだとの意見も根強い。キム・ユン教授は「致命率が0.24%と低いウイルスに対して、いつまで自営業者を限界へと追い込む過度な防疫を実施しなければならないのか。強いソーシャル・ディスタンシングは『効果はあまりなく、副作用は強い薬』だが、使い続けることが正しいのか」とし「これを機に政府も、個人は防疫守則を徹底して守るにしても、食堂を閉鎖したり営業時間を制限したりするのではなく、持続可能な方法へと変えようと言うべきだ」と述べた。

キム・ジフン、チェ・ハヤン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1004571.html?_fr=mt2韓国語原文入力:2021-07-21 22:41
訳D.K

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