韓国は世界で最も激しい文化戦争に直面している国であるという調査結果が出た。
文化戦争とは、一国内で政治的立場や社会的階層、所得や資産、年齢、性、宗教、人種、地域などが異なる集団同士の衝突を指す。
国際世論調査企業イプソスと英国のキングス・カレッジ・ロンドン政策研究所が実施した世界28カ国の成人約2万3000人に対するアンケート調査の結果によると、12の対立項目のうち、進歩と保守の対立を含む全体の半分を超える7項目で、韓国人が感じる文化戦争の強度が世界でトップだった。
文化戦争の中心とされる進歩と保守の対立について、韓国人は10人中ほぼ9人(87%)が「進歩と保守の対立は存在する」と答え、調査対象国の中で最も高い割合を示した。これは、昨年の大統領選挙を経て激しい政治的対立を示した米国の85%よりも高い。韓国に次いでチリ(86%)が僅差で2位となった。韓国人のこのような理念の対立は、異なる政党の支持者の間での対立(91%)にそのまま反映されていた。
日本人と中国人は、進歩と保守の対立が存在すると答えた割合がそれぞれ39%、37%で、調査対象国の中で最も低かった。
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相対的に順位が低いのは移住民との対立、人種対立の2つだけ
韓国は富裕層と貧困層の対立(91%)、男性と女性の対立(80%)、若い世代と既成世代の対立(80%)、大卒者と非大卒者の対立(70%)、宗教間の対立(78%)でも最も高い割合を示した。1位ではない残りの5項目のうち、社会階層間の対立(87%、2位)、都市と農村の対立(58%、3位)、大都市エリートと労働者の対立(78%、3位)の3項目も2~3位となり、やはり最上位圏だった。
韓国の順位が相対的に低かった対立は、土着民と移住民の対立(66%、15位)、人種間の対立(67%、11位)の2つだけだった。
人種対立では米国が83%で1位となり、土着民と移住民の対立では南アフリカが89%で1位だった。チリは大都市エリートと労働者の対立(84%)、社会階層間の対立(88%)、富裕層と貧困層の対立(91%、韓国と同率1位)で1位となった。農村と都市の対立ではペルーが66%で1位だった。
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世界全体では富裕層と貧困層の対立が最高
ただし韓国人は、文化戦争の結果として、新聞や放送などのメディアに接したり、他人と会話を交わしたりする時に、自分の国が分裂していると感じるかという問いでは8位にとどまった。「感じる」と答えたのは全体の半数に満たない44%だった。この部分では南アフリカ(58%)、インド(57%)、米国(57%)の3カ国が、その他の国より少なくとも10ポイント以上高かった。
調査対象国全体では、12の対立項目中、富裕層と貧困層の対立が1位となった。「富裕層と貧困層の対立はかなりある」と答えた回答者は74%を占めた。続いて支持政党による対立(69%)、社会階層間の対立(67%)、移住民と土着民の対立(66%)の順だった。
調査を行なったキングス・カレッジ・ロンドン政策研究所のボビー・ダッフィー所長は「国際比較は自国の問題を一目で見られるようにしてくれる」とし「世界的な視点が得られれば、自国の文化戦争をめぐる脈絡を見ることができる」と述べた。
今回の調査は、2020年12月23日から2021年1月8日にかけてイプソスのオンライン・プラットフォームを通じて行われた。イプソスは、アンケートデータは各国の人口構成を反映して加重値を用いたと明らかにした。