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漢江で死亡した医大生、解剖の結果「溺死」と推定…「42分間の行動」がカギ=韓国

登録:2021-05-14 09:44 修正:2021-05-14 13:41
警察「頭の傷は死因ではない 
飲酒後2~3時間以内に死亡との所見」 
友人を見た追加の目撃者の陳述を確保 
「4時20分頃、一人で寝ていたので起こした」 
Sさんの父親「泥酔して寝ていた息子が 
他人の力によらず川に入るわけがない」
13日午前、ソウル瑞草区の盤浦漢江公園のタクシー乗り場付近で、警察が漢江公園で遺体で発見されたSさん(22)の友人の携帯電話の捜索作業を行っている/聯合ニュース

 警察は13日、漢江公園で行方不明になり遺体で発見されたSさん(22)の国立科学捜査研究院(国科捜)による解剖検査の結果、死因は溺死と推定されると明らかにした。だが、Sさんがどのように漢江に入ったのかについては依然として明らかにされておらず、警察は事件当日に一緒にいたSさんと友人のA氏の行動を再構成することに捜査を集中させている。

 ソウル警察庁はこの日、「死因は溺死と推定。頭の2つ裂けるように生じた創傷は死因とは考えにくい」と、国科捜から前日通知されたSさんの解剖鑑定結果を公開した。

 国科捜は解剖の結果、薬物の異常反応はなく、飲酒後2~3時間以内に死亡したものとの所見を示した。警察は「最後の飲酒後、比較的短い時間内に死亡したという意味」と説明した。ただし、警察関係者は「解剖の結果に関わらずあらゆる可能性を考え、目撃者の捜査や確保された映像の分析などで(事件)当日の現場の再構成に総力を尽くす」と述べた。

 警察が突き止めなければならない対象は、4月25日午前3時38分から4時20分までの約40分間のSさんと友人A氏の動線だ。警察はA氏が自分の母親と通話した時間帯である午前3時37分まではSさんが一緒にいたという結論を下し、また、午前4時20分ごろA氏を見たという目撃者B氏の陳述を確保した。この目撃者は当時間帯に「A氏がかばんを背負って(漢江に近い)芝生の端の斜面に横になって眠っていたため、危ないと思い直接起こした」という趣旨で警察に陳述した。当時B氏は飲酒してはいなかったが、一緒にいた仲間の一人がいなくなり、探していたところへA氏を発見したという。だが、B氏は自分がA氏を起こした場所にSさんはいなかったと記憶している。B氏が陳述した場所は、SさんとA氏が当初一緒にいた位置から川の方向に10メートルほど離れた場所だ。その後、CCTV(防犯カメラ)の映像には4時33分ごろA氏だけが漢江公園のトンネルを歩いて通る様子が映っていたが、調査の結果、B氏が自分を起こした状況も覚えていないということだ。

 捜査を担当した瑞草署の強力チーム(凶悪犯罪を専門に扱う警察内組織)は12日、友人A氏を相手にプロファイラー面談も実施したと明らかにした。弁護士の立ち合いで行われた面談は2時間ほど行われたが、警察は具体的な内容を明らかにしなかった。

 警察は現在、Sさんや友人A氏を目撃した6つのグループの9人の目撃者と、A氏の両親など関係者20人を取り調べている。また、友人A氏のノートパソコンやA氏の母親の携帯電話のフォレンジックも終えた。警察は4月25日午前5時10分ごろ漢江公園を再び訪れたA氏とA氏の両親が乗ってきた車のドライブレコーダーの映像もフォレンジックを行なった。彼らはSさんを探しに漢江公園に来たという。A氏の父親の携帯電話も提出され、フォレンジックを行なっている。A氏と両親が漢江公園を訪れた様子が撮られたCCTV映像には、A氏の父親がどこかへ電話をする姿が映っており、Sさんの遺族はこの部分に対する調査も必要だと主張している。

 事件の前夜、SさんとA氏は夜10時54分から翌日の午前1時45分までコンビニで3回にわたり360ミリリットルの焼酎2本と640ミリリットルの焼酎2本、清酒2本、マッコリ3本を購入していたことが確認された。

 SさんとA氏の間で入れ替わったA氏の携帯電話を探す作業も続行している。13日、漢江警察隊は、特殊装備を保有する海軍と合同捜索を行った。

 Sさんの父親(50)は本紙の電話取材で、警察に発表について「目撃者によって2時18分ごろに撮られた写真を見ると、すでに息子は泥酔状態で横になっていた。そんな状態で酒をまた飲んだり、他人の力によらずに川に入ることなどできない」と話した。

チャン・イェジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/995123.html韓国語原文入力:2021-05-14 08:34
訳C.M

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