文在寅(ムン・ジェイン)大統領の国政遂行支持率が29%を記録し、就任後初めて30%を割った。特に、不動産政策や暗号通貨に対する非難などで、20代の支持離れが加速しているとみられる。レームダック(任期末に影響力が落ちる現象)の心理的な最後の防御線と評される30%以下へと支持率が下落したことで、国政運営力の弱体化も懸念されている。
韓国ギャラップが今月27日から29日にかけて、全国の1000人の有権者を対象に文大統領の職務遂行評価を尋ねた調査(信頼水準95%、標本誤差±3.1ポイント)の結果、肯定的評価は29%、否定的評価は60%だった。職務肯定率は先週(31%)より2ポイント下落し、就任後最低となった。3月第1週の調査(40%)以降、下落し続けていたが、20%台にまで落ち込んだのは今回が初めて。
大統領の国政遂行支持率の下方圧力を高める最も大きな原因に挙げられのは、不動産政策に対する評価だ。職務遂行を否定的に評価した回答者は、その理由として「不動産政策」(28%)を最も多く挙げ、続いて「新型コロナウイルス対処不十分」(17%)、「経済/国民生活問題解決不足」(9%)の順だった。分野ごとの政策評価でも、不動産政策に対する肯定的な評価は9%で最も低く、否定的な評価は81%まで跳ね上がった。
全ての世代で否定評価が肯定評価を上回った中で、60代以上の否定評価が62%で最も高く、続いて20代(62%)、50代(61%)、40代(52%)、30代(49%)の順で否定評価が高かった。特に、20代の支持離れが加速していることが分かった。2週間前には27%だった20代の肯定率は、先週25%に下落したのに続き、今週は21%にまで落ちた。韓国ギャラップが同じ期間に調査した文在寅政権の不動産政策に対する評価でも、肯定的に評価すると回答した18~29歳は4%のみだった。時代精神研究所のオム・ギョンヨン所長は「30%を割り込んだ大きな原因の一つは、20代における支持率下落だ。仮想通貨と株式譲渡税、不動産、ジェンダー問題などが20代の民意の離反をあおっている」と指摘した。
理念傾向ごとに見ると、中道層での文大統領の支持率は28%で、平均以下だった。保守層は10%、進歩層は61%だった。地域ごとに見ると、ソウルが先週より2ポイント下落の29%で、大田(テジョン)・世宗(セジョン)・忠清道は先週より12ポイント下落の24%だった。政党支持率では、共に民主党が33%、国民の力が28%だった。2週間前の4月第3週の調査から、文大統領の支持率が民主党の支持率を下回る「デッドクロス」現象が続いている中、わずか1%だった格差は4%にまで広がった。リアルメーターのペ・チョルホ首席専門委員は「大統領の支持率と党の支持率の逆転は力関係の変化を意味し、政権末期の危険なシグナルとなり得る」と述べた。
支持率が30%を割り込んだことで、任期を1年残す文大統領の国政運営動力の喪失を指摘する声も出ている。インサイトKのペ・ジョンチャン所長は「3人に1人の支持も得られない大統領ということは、核となる支持層さえ離れていく国政動力のまひや喪失と解釈しうる」と述べた。一方、オム・ギョンヨン所長は「解決されていない懸案があまり残っていないため、今の状況では支持率に大きな意味はない。40%を割り込んだ時、すでにレームダックに入っていた」と解釈した。今回の調査は電話調査員によるインタビュー形式で行われ、回答率は16%だった。