24日午後、慶尚南道泗川(サチョン)のKAI(韓国航空宇宙産業)の韓国型戦闘機(KF-X)製作現場を訪れた。サッカー競技場3つ余りの広さの「固定翼棟」(6500坪、120m×180m)の一角では、4月に予定されている韓国型戦闘機試作機の出庫式を控え、最終作業が真っ最中だった。立派な戦闘機の形をしている試作1号機は、胴体のあちこちに装備や部品、電線のようなものが設置されたまま姿をさらしていた。
試作1号機の胴体の下では、6、7人が小さなトレーラーを置き、互いに手振りで何かを説明しながら作業に熱中していた。KAIの関係者は「エンジン装着試験を終え、胴体の塗色作業のためにエンジンを取り外している」と言い「来週塗色を終えれば胴体が濃い灰色になる」と説明した。エンジンは塗色作業中に異物が入る恐れがあるため、取り外してから塗り終えた後にまた装着するという。
防衛事業庁とKAIは今年4月、韓国型戦闘機試作機の出庫式を大々的に行う計画だ。これに先立ち、24日に韓国国内メディアを対象に「メディアデー」行事を開き、これまでの開発過程と成果などを説明した。韓国型戦闘機事業は、2015年から8兆8000億ウォンを投資し、老朽化したF4とF5戦闘機に代わり今後基盤となる空中戦力として活用する戦闘機を研究・開発する事業だ。KAIの主導でインドネシアと国際共同研究・開発方式で進められ、事業費は韓国政府が60%、インドネシア政府が20%、KAIが20%を分担する。
試作機の出庫は、金大中(キム・デジュン)元大統領が2001年3月に空軍士官学校の卒業式及び任官式で、「最新鋭の国産戦闘機を開発する」との意志を明らかにして以来、およそ20年かけての初の可視的な成果だ。軍当局が2002年11月の合同参謀会議で新規戦闘機の長期所要を決めてからと考えても、約18年ぶりだ。防事庁のチョン・グァンソン韓国型戦闘機事業団長は「韓国の初の戦闘機を披露する記念碑的なイベントが開かれる」とし「開発者の立場からすれば、図面だけに存在していた戦闘機が実体化し、研究した通りに性能が出るかを検証する段階に移る」と意味づけた。
今回開発された戦闘機は、幅11.2メートル、長さ16.9メートルで、F-16よりは大きく、F-15よりは小さい。本格的なステルス戦闘機ではないが、基本的なステルスの形状を備えている。戦闘機の胴体や翼などに反射角整列技術を導入してレーダー反射面積を減らし、空気吸入口の通路をS字型にして前からエンジンが見えないようにした。今後、本格的なステルス技術が採用された第5世代型戦闘機に進化する余地を残している。戦闘機の開発が完了すれば、空軍に120機が納品される。