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「司法壟断」判事の弾劾を進める民主党議員「処罰しなければ裁判の独立が損なわれる」

登録:2021-01-27 06:38 修正:2021-01-27 10:07
イ・タンヒ共に民主党議員(中央)が今月22日、国会の疎通館で開かれた民主党のカン・ミンジョン議員(左)や基本所得党のヨン・ヘイン議員らと共に「司法壟断判事の弾劾」を提案する記者会見を行っている/聯合ニュース

 「司法壟断」に関与した判事の弾劾を進めるイ・タンヒ共に民主党議員は、裁判官の弾劾が司法府の独立を害するという主張に対し、「むしろそのような裁判官を処罰しなければ、裁判の独立が損なわれる」と反論した。

 イ議員は26日、「交通放送」(TBS)「キム・オジュンのニュース工場」に出演し、「(弾劾を提案した)2人の判事は、自ら裁判の独立を侵害した人々だ」とし、「裁判の独立侵害を回復するために、(また)それに対する不信感を回復するためにも、むしろ弾劾が必要だ」と主張した。

 彼は「裁判を受ける国民の立場から見て、どれほど荒唐無稽なことか。公正な裁判を期待して、法壇に座っている人を裁判官と信じて話したのに、実は隠れて判決内容を流出し、変えたのではないか」とし、「このような人を処罰しなければ、(司法府に対する)信頼は回復できない」と述べ、弾劾の正当性を繰り返し主張した。

 これに先立ち、イ議員は22日、民主党、正義党、開かれた民主党、基本所得党、無所属の107人の議員と共に、近く退任するイム・ソングン釜山(プサン)高裁部長判事(2月末任期満了)とイ・ドングン・ソウル高裁部長判事(1月28日辞職予定)の弾劾を国会に提案した。両判事は、朴槿惠(パク・クネ)前大統領の「セウォル号7時間疑惑」関連コラムを書いて名誉毀損の疑いで起訴された産経新聞記者の裁判で、判決文を流出し内容を修正した疑惑を受けている。

 イ議員は同日の放送インタビューで「(イム部長判事らは)裁判所の一審判決で反憲法行為者と認めた人たちであり、全国裁判官代表者会議もこの二人の判事は弾劾しなければならないと事実上国会に要請している」とし、「二人の判事が今回、事実上逃避のような形で辞表を出したが、このまま行けば名誉退職して前官弁護士として活動するような状況を迎える」と述べた。

 イ議員は韓国で前例のない裁判官弾劾の試みが司法府の独立を害するという主張に対し、「韓国社会では特に判事が神様のように扱われる傾向がある。それがむしろ司法への信頼に毒となっている」と積極的に反論した。また「米国の場合には連邦裁判官だけでも15回弾劾訴追され、保守的な日本のような国でも9回も弾劾訴追された事例がある」とし、「英国のような国は事実、1年に20~30人の判事が罷免される」と述べた。また「英国の場合は裁判を不公正に進めた場合もあり、不正を犯した場合もあった」とし、「韓国では判事らが飲酒運転をしたり、あるいは盗撮する場合があっても、非常に軽い懲戒処分にとどまる」と指摘した。

 今回、イ議員とともに弾劾を提案した議員の規模は、弾劾訴追案発議の要件である国会在籍議員の3分の1を超える数字だ。弾劾案の可決定足数は「在籍議員過半数賛成」であるため、174議席の民主党だけでも単独処理が可能だ。

 しかし、民主党指導部では、コロナ禍の痛みの軽減や暮らしの改善などに集中すべきこの時期に、判事に対する弾劾の試みが波紋を広げかねないと懸念する雰囲気だ。党では「弾劾の時期を逃した」という声もあがっている。民主党は27日、議員総会を開き、裁判官弾劾について話し合う予定だ。もし、国会で裁判官弾劾案が議決されれば、当該判事に対する弾劾問題は憲法裁判所で最終決定される。

ソン・ホジン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/980375.html韓国語原文入力:2021-01-2610:39
訳H.J

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