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[コラム]米中の「6G戦争」

登録:2020-10-28 20:28 修正:2020-10-29 09:43
イラスト jaewoogy.com//ハンギョレ新聞社

 米国の電気通信標準化連合(ATIS)が13日、「ネクストGアライアンス」(Next G alliance)の発足を発表した。米国の情報通信(ICT)分野の主要企業であるシスコ、クアルコム、AT&T、ベル、インテル、フェイスブック、マイクロソフト、ベライゾンと共にサムスン、エリクソン、ノキアが創立メンバーとして参加した。「ネクストGアライアンス」が明らかにした目標は明確だ。6世代移動通信(6G)をはじめ、今後数十年にわたり先端通信技術で北米(米国)が主導権を握れる基盤を確保することだ。

 6Gは5G(5世代移動通信)より速度が50倍速い。5G通信が今まさに始まったところだが、世界がすでに“6G戦争”に飛び込んだ背景には、米中新冷戦がある。先端技術覇権を左右するのは、誰がより早く超高速通信網を開発し、標準化するかだ。中国を軽く見てきた米国は、その最初の段階である5G競争で中国に惨敗した。華為技術(ファーウェイ)の5G通信装備で技術力を誇示した中国は、それをベースに顔・音声認識、量子コンピュータ、電子決済、ドローン技術で米国を圧倒している。通信網競争で敗れれば、軍事、航空宇宙、医療、エネルギー分野でも遅れることになる。焦った米国は、6G技術を先行獲得することにより、中国に奪われた先端技術の主導権を取り戻そうと急いでいる。

 米国政府は、強い制裁を通じて「ファーウェイ失脚」を目指す一方で、全世界の通信網とアプリから中国企業を退出させるための「クリーン・ネットワーク」に同盟国が参加しなければならないと要求している。こうして米国政府が中国企業を制裁し時間を稼いでいる間に、米国企業らがサムスン、エリクソン、ノキアまで糾合して6G先端技術開発で先行する戦略を推進すると見られる。

 これに対抗して中国も6G開発に力を注いでいる。中国共産党の指導者が最近、集団学習で最も重視しているテーマも、次世代情報通信、人工知能(AI)、量子コンピュータだという。25~29日に中国共産党の指導部374人が集まり、第19期共産党中央委員会5次全体会議(5中全会)を開き、米国の圧迫に対抗し勝利する持久戦戦略を用意しているが、その中心内容は内需市場を育てることと、先端技術の独立を成し遂げることだ。

 70年前の朝鮮戦争の性格をめぐり今になって国際的攻防戦が広がっているが、今注目しなければならないことは過去ではなく未来だ。

パク・ミンヒ論説委員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/967397.html韓国語原文入力:2020-10-28 02:36
訳J.S

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