全国を回って10代の青少年の性搾取映像を制作、流布するとともに、性売買と性的暴行をはたらいた容疑で拘束起訴された20代の男性に対し、検察は無期懲役を求刑した。
済州地方裁判所第2刑事部(チャン・チャンス裁判長)の審理により17日に開かれた、児童・青少年の性保護に関する法律違反(わいせつ物制作・配布)などの疑いで拘束起訴されたA被告(30)の結審公判で、検察は無期懲役を求刑した。検察は、位置追跡装置付着30年と、児童・青少年および障害者関連機関への就業制限10年も求刑した。
A被告は昨年9月から今年5月11日に逮捕されるまで、全国を回って13~17歳の青少年11人に近づき、性搾取映像231件(写真195件、動画36件)を制作し、性的暴行や性売買などを行った疑いで起訴されていた。検察と警察による捜査の結果、A被告はカカオトークやフェイスブックなどのSNSを用いて不特定多数の青少年に接近していた。制作した映像は、オンラインなどを通じて取引されたり、再流布されたりはしていないことが確認された。
検察は「A被告の犯行は、近ごろ社会問題として浮上している『n番ルーム事件』(テレグラムのグループチャットルームで性搾取物を取引した事件)に類似する。A被告はn番ルーム事件の関係者が拘束されたという情報に接してからも、より密かに犯行に及んでいた情況がうかがえる。被害者は一生傷を抱えて生きていくことになるため、これに相応する厳罰が必要」と求刑の理由を明らかにした。
弁護人は「A被告は犯行を認めて反省している。初犯であり、すべての事実を認めており、犯行期間が短く、捜査の初期から積極的に協力しているうえ、『n番ルーム』の運営者と異なり被害者を誘引してもいない。映像から経済的利益を得てもいない。再犯危険性評価でも『中間』との結果が出ていることなどを考慮し、善処してほしい」と述べた。
A被告は最終陳述で「多くの反省と後悔の時間を送っている。どんな言葉も言い訳にならざるを得ず、申し訳ないとしか言いようがない。私のせいで傷ついた方々に心からお詫び申し上げる。これからは懺悔の人生を生きていくつもり」と頭を下げた。判決は来月15日午前に言い渡される予定だ。