新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の新規感染者が17日ぶりに100人台に減少した。防疫当局は「第2段階の距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)の効果が現れているが、まだ安心できる状況ではない」と述べた。韓国政府は4日、首都圏の「準3段階(レベル3に準ずる)ソーシャル・ディスタンシング」を延長するかどうかを決定する一方、移動量が増える秋夕(旧暦8月15日、中秋節)に備えた防疫対策も打ち出す予定だ。
3日のCOVID-19新規感染者は195人で、先月中旬以後初めて100人台に下がった。特に、ソウルの新規感染者は69人で、先月14日以降最も少なかった。新規患者は徐々に減っているものの、「現在としては極めてぎりぎりの状況」というのが防疫当局の評価だ。首都圏の新規患者が4日連続で100人台を維持しているうえ、宗教施設や小規模会合、医療機関、療養施設などで患者が発生し続けているからだ。クォン・ジュヌク中央防疫対策本部(防対本)副本部長は「今はヒビの入った防疫態勢を立て直す過程にある」と述べた。
同日国会では、国民の力(旧未来統合党)政策委議長室に勤める党事務処所属の職員がCOVID-19に感染したことが確認された。この1週間、ソウルでは計7つの医療機関で医療陣13人と患者17人が検査で陽性反応を示しており、コホート(同一集団)隔離に入った。同日5人が追加感染したソウル峨山病院を含め、漢陽大学病院や恵民病院、緑色病院、ブミン病院、中央報勲病院が現在隔離中だ。この他にも、江西区の航空保安会社(10人)や瑞草区(ソチョグ)の障害者教育施設(8人)や仁川西区役所(17人)、京畿道加平郡(カピョングン)リアンリCCゴルフ場(4人)、忠清南道青陽郡(チョンヤングン)のキムチ工場(19人)などで感染者が相次いで出るなど、全国で散発的な感染が続いている。
クォン副本部長は「COVID-19は患者が増える速度より減少するのに時間がかかる傾向を示しており、忍耐が必要だ。追跡調査や検査、隔離治療で流行の火種を消して被害を収拾するのに、はるかに多くの資源が消耗し、時間がかかるため」とし、ソーシャル・ディスタンシングへの積極的な参加を呼びかけた。ソウル市も病院や療養施設などでの集団感染が続き、「準3段階のソーシャル・ディスタンシングの解除は検討していない」と述べた。防疫当局は、1日の新規感染者が2桁に下がれば全般的な統制や管理が可能になるとみている。このため、政府は患者発生の様相や集団感染の分布などを考慮し、首都圏で準3段階ソーシャル・ディスタンシングを延長するかどうかを、4日に発表する予定だ。
政府は「民族の大移動」が起こる秋夕(チュソク、中秋節)の連休に備えた防疫対策も準備している。中央事故収拾本部のユン・テホ防疫総括班長は「秋夕前までにできるだけ感染者数を安定化し、秋夕を機に感染者が増加しないように防ぐという原則の下、秋夕防疫対策を準備している」と明らかにした。対策にはソーシャル・ディスタンシングのレベル▽検査や自宅隔離、疫学調査運営案▽治療など医療サービス提供案などが盛り込まれる予定だ。
一方、同日の重篤・重症患者は前日より31人増えた154人と集計された。中央災害安全対策本部は「首都圏で急速に増えた患者たちの重症度が引き続き高くなる可能性がある」として、「中央臨床委員会や大韓重患者医学会とTF(対策チーム)を設置し、重症患者の分析や重症度の分類、病床の追加確保などに取り組んでいく」と述べた。