本文に移動

出勤が怖いコールセンター相談員たち「火の中に飛び込む気持ちで出勤」

登録:2020-03-12 10:16 修正:2020-03-12 12:01
九老区の集団感染で、他コールセンターも不安訴え 
「私たちは消耗品扱い…病気でも当日に有給休暇は使えない」 
「会社は防疫せず…自分で個人衛生を守らなきゃならない」
民主労総サービス連盟の関係者が11日昼、ソウル西大門区のサービス連盟会議室で記者会見を開き、コールセンターの勤務環境が伝染病に脆弱であり、九老区のエース損害保険コールセンターで起きたCOVID-19集団感染は予告された惨事だと説明している=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 「最近、コールセンターの相談員たちは火の中に飛び込むような気持ちで出勤しています。狭いスペースである上にマスクの使用が難しいのはもちろん、体調を崩しても当日は有給休暇を使うことができません。韓国が定めた法律は相談員には役に立ちません」(コールセンター労働者のAさん)

 「新型コロナ発生以降、会社レベルでの内部防疫やマスクの支給は一度も行われていません。在宅勤務は想像もできない」(コールセンター労働者のBさん)

 ソウル九老区(クログ)の「エース損害保険」コールセンターを中心に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)集団感染が発生し、他のコールセンターの労働者の集団感染を懸念する声も高まっている。民主労総サービス連盟サービス一般労組は11日午後、ソウル西大門区(ソデムング)のサービス連盟事務所で記者会見を開き、「エース損害保険コールセンターでの集団感染は、感染症に脆弱な勤務環境を放置し、労働者を単なる消耗品として扱う慣行が生み出した予見された人災」だとし、「集団感染の危険にさらされたコールセンター労働者を保護する対策を講じるべきだ」と訴えた。

 コールセンター労働者らは、労働者を実績を出すための消耗品として扱ってきた会社側の行動が今回の集団感染の背景だと指摘した。ソン・ヨンファン・サービス連盟雇用情報支会長は、「体調を崩して当日に有給休暇を取らなければならないと申し出ても、相談員に対してはこのような部分は守られない。コールセンターは実績にすべてを合わせ、相談員を消耗品と考えている」と批判した。イ・ユンソン・サービス連盟コールセンター支部長も「コールセンターの相談員は1日に顧客とどれだけ通話をしたか、顧客評価で何点をもらったかなどによって実績が付けられるが、法律で定められた年次有給休暇の使用も実績に反映する所がある。有給休暇外の病欠はほとんど無給だ」と述べた。

 彼らはまた、会社が感染症に脆弱なコールセンターの勤務環境を放置していると証言した。キム・ラミ・サービス連盟SHコールセンター支会長は「COVID-19が発生した後、会社内部の防疫は一度も行われなかった。システムも整っていない状態で在宅勤務するというのは想像もできない」と訴えた。イ支部長も「COVID-19に関する防疫は相談員が個別に自分で個人衛生を徹底させることで行なっている」と述べた。

 公共機関や大企業をはじめとする元請け会社が下請け会社のコールセンター会社にすべての責任を転嫁しているという指摘も出た。キム支会長は「今回の事態の前に、感染者が出たら年次休暇を与える計画があるのか、SH公社側に聞いたことがある。『請負会社の相談員は請負会社に聞いてみろ』『うちの社員ではないので準備されている事項はない』という趣旨の回答を受けた」と主張した。

 サービス連盟は10日、声明を通じて、すべてのコールセンターに対し地方自治体レベルで毎日防疫を行うこと▽顧客会社(元請け会社)が責任を負うこと▽机のキーボード、携帯電話の消毒のためのアルコール綿を毎日支給すること▽労働者が体調異常を訴えたら直ちに自宅隔離できるように措置を取ること▽休業手当を支給することなどを要求した。

キム・ミンジェ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/932170.html韓国語原文入力:2020-03-11 18:52
訳C.M

関連記事