韓国と米国が大規模な合同空中演習「ビジラントエース」(Vigilant Ace)に代わる演習を今月中旬に実施することが明らかになった。北朝鮮は今回の演習を「我々に対する対決宣言」とし、「忍耐が限界に近づいている」と強調するなど、軍事的対応に出る可能性があると警告した。
今回の演習は、韓国空軍と在韓米軍7空軍がそれぞれ演習を行い、大隊級以下規模で合同態勢を点検する形で進められるという。韓国軍関係者は「過去のビジラントエースより規模が調整された演習を今月中に実施する計画だ」とし、「訓練の名前を変えることも検討している」と述べた。米国防総省も4日(現地時間)、ビジラントエースという言葉を使わず、「今年の合同空中演習を予定通り進めるための手続きを踏んでいる」と発表した。
韓米は昨年もビジラントエースに代わる「戦闘準備態勢総合演習」を実施した。合同演習の規模を大隊級以下に縮小し、F-22ラプターなど北朝鮮が警戒する米国の戦略資産も展開しなかった。韓米はこれに先立って開かれた第50回安保協議会(SCM)で、朝鮮半島の非核化と平和定着に向けた外交的努力を軍事的に支えるため、ビジラントエースを猶予することを決めた。
北朝鮮は前日、クォン・ジョングン外務省巡回大使の談話を通じて、「ストックホルム朝米実務協議が決裂してから1カ月後に、米国が合同空中演習の計画を発表したことは、我々に対する対決宣言としか思えない」と非難した。クォン大使は「演習の名称を変えたからといって、戦争練習の侵略的性格が変わると考える人は誰もいないだろう」としたうえで、「我々はすでに、合同軍事演習が朝米関係の進展を妨げ、我々がすでに取った重大措置の見直しを進める原因になり得ると重ねて強調してきた」と述べた。クォン大使はさらに、「決して米国の無謀な軍事的動きを手を拱いて見守るわけにはいかない」とし、「忍耐が限界に近づいている」と主張した。
これに対し、米国は6日(現地時間)、デーブ・イーストバーン国防総省報道官を通じて「我々は、北朝鮮がどれだけ怒っているかによって演習を実施したり、規模を調整したりしない」と述べた。イーストバーン報道官は、「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)放送で、「我々の演習は、外交当局者が北朝鮮と開かれた対話に必要な空間を認めると共に、韓米間の準備態勢を保障し、相互運用を増進するためのものだ」と説明した。デビッド・ゴールドフィン米空軍参謀総長も「今は韓米合同空中演習が必要な状況だ」と述べたと、米国の「ラジオ・フリー・アジア」(RFA)が報じた。