チョ・グク法務部長官の娘と息子に続き、妻のチョン・ギョンシム東洋大学教授まで3日に召喚調査した検察が、チョ長官本人に対する調査も準備している。憲政史上前例のない現職法務部長官に対する調査という負担はあるものの、検察はチョン教授の捜査結果によってはチョ長官を直接呼んで取り調べることを検討するものとみられる。
これに先立ち、検察は医学論文の第1著者としての登録など、入試不正疑惑と関連し、チョ長官の娘(28)を先月16日と22日に調査し、チョ長官の息子(23)も先月24日に呼んで調査した。チョ長官の義弟や実弟なども検察の取り調べを受けている。
検察がチョ長官を直接狙う部分は、熊東学院の虚偽訴訟疑惑と娘のソウル大学公益人権法センターのインターン証明書の虚偽発給疑惑だ。チョ長官は1999~2009年、一家が運営した熊東学院の理事を務めたが、当時行われた偽りの債務訴訟に関与したのではないかという疑惑が持ち上がっている。チョ長官はこれまで関連疑惑を否定したが、検察はチョ長官のパソコンから当時の訴訟と関連した文書を発見するなど、チョ長官の関連性を立証するのに力を注いでいる。チョ長官が在職中だったソウル大学公益人権法センターで娘と息子が受け取ったインターン証明書が偽造されたのではないかという疑惑も、チョ長官が直接説明しなければならない。検察は、チョ長官のパソコンから、娘とチャン・ヨンピョ檀国大学教授の息子、チョ長官の大学同期の息子のインターン確認書を発見したという。このほかにも検察は、チョ長官が家族の私募ファンド投資疑惑、証拠隠滅教唆疑惑などを認識するか関与した情況を明らかにすることに焦点を合わせている。
チョ長官はこれまで記者懇談会や人事聴聞会、マスコミとのインタビューなどを通じて、本人や家族に提起された疑惑に対する関連性を全面否定してきた。私募ファンド投資疑惑などを巡ってチョ長官は最近、「時事IN」とのインタビューで、「検察と妻の間の問題」だとし、かかわりを否定した。また、娘の偽りのインターン確認書の発給疑惑についても先月26日の国会対政府質問で「発給を要請したこともなければ、偽造したこともない」と主張した。
検察はチョ長官の召喚に慎重を期するものとみられる。明らかな証拠なしに検察改革を推進中の現職法務部長官を召喚した場合、改革に反対するために調査に乗り出したという逆風にさらされかねないからだ。一部では、検察がチョ長官まで捜査を拡大するのは難しいのではないかという見通しも示されている。現在までチョ長官から明らかになった容疑がほとんどないという理由からだ。
逆に、検察がチョ長官の召喚に乗り出すのは、疑惑を証明する相当な証拠を持っているためともいえる。検察関係者は「(チョ長官関連の捜査が)90%は進んだ」として、自信をのぞかせた。チョ長官は先月26日、国会対政府質問で、検察に召喚された場合、長官職を辞退するかを問う質問に「召喚通知が届いたら考える」と答えた。
チョ長官の召喚調査が推進されれば、日程をめぐって綱引きが予想される。検察は、チョ長官の家族や親類など調査をすべて進めたので、チョ長官の調査を急ぐこともありうる。現在、国政監査が進められており、国政監査が終わった後に進められる可能性もある。