親日反民族行為者である李海昇(イ・ヘスン)の子孫を相手に国が起こした土地返還訴訟で、裁判所が4平方メートルだけ返すよう判決を下した。
26日、ソウル高裁民事13部(裁判長キム・ヨンビン)は、政府が李海昇の孫のイ・ウヨン・グランドヒルトンホテル会長を相手に、親日の見返りで得た土地を返してほしいとして起こした訴訟の控訴審で「忠清北道槐山(クェサン)の土地1筆(4平方メートル)とすでに処分した不動産売却代金3億5千万ウォン(約3300万円)を返還せよ」と判決を下した。この事件で政府が返還を要求したイ会長の所有地は全部で138筆であり、事実上政府が敗訴したということだ。
李海昇は哲宗(李氏朝鮮の第25代国王)の父である全渓大院君の5世子孫で、1910年の韓日併合後、朝鮮貴族で最高の地位である侯爵の爵位と共に恩賜公債16万8千ウォンを受け取った。光復まで特権を享受し、日本帝国の官辺団体活動を続けた。親日反民族行為真相究明委員会は2009年に李海昇を親日反民族行為者に決定し、これを基に親日反民族行為者財産調査委員会はイ・ウヨン会長が相続した土地192筆に対して国家帰属を決定した。
これに対してイ会長側は「親日反民族行為者の財産の国家帰属に関する特別法」は「韓日併合の功労により爵位を受けた者」の財産を還収することになっているとし、「李海昇の侯爵の爵位は併合の功労ではなく、王族であったため受けたものだ」と主張した。2010年、最高裁判所(大法院)は最終的にイ会長に軍配を上げた。
論議が起こると、親日財産帰属法から「韓日併合の功労」という部分が削除された。政府は改正された法を根拠に2015年、イ会長に再び訴訟を出したが、昨年4月の1審は「法が改正されても確定判決には適用されない」とし、政府の敗訴判決を下した。控訴審の裁判部も「法的安定性」を理由に1審の判断を維持した。返還を決定した1筆は2010年の判決には含まれていない土地だ。
これに先立ち、最高裁は2017年1月、イ会長が第3者に土地を売却して得た代金228億ウォンを「不当利得金」と判断し、国への返還を言い渡すなど一部の訴訟で国の勝訴判決を下したりもした。