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セウォル号の映像は、なぜ惨事発生の3分前までしかないのか?

登録:2019-05-01 22:34 修正:2019-05-03 18:13
4・16家族協議会、1日セウォル号3階の案内デスク復元しDVR操作疑惑を提起 
「その日の午前8時46分~9時30分の44分間の映像があれば沈没原因究明に近づく」
チョン・ソンウク4・16家族協議会真相究明委員長が1日、木浦新港に据え置かれたセウォル号の3階案内デスクでデジタル映像保存装置(DVR)の操作疑惑を提起した理由を説明している=アン・グァノク記者//ハンギョレ新聞社

 「その日の朝の44分間の真実を取り戻したい」

 セウォル号で犠牲になった檀園高校の生徒トンス君の父親チョン・ソンウク氏(49)は1日、、木浦(モッポ)新港に据え置かれたセウォル号3階案内デスクで声を高めた。4・16家族協議会真相究明委員長を務める彼は、最近提起されたデジタル映像保存装置(DVR・Digital video recorder)操作疑惑を現場で具体的に説明した。そのためにセウォル号3階の案内デスク、DVR、モニターの模型を当時と同じく復元し、理解しやすくした。DVRは、船体内外に設置された監視カメラ(CCTV=閉回路テレビ)のカメラ64台が撮った映像を保存した重要な証拠物だ。

 チョン氏は「検察の捜査で、船体が傾く3分前の2014年4月16日午前8時46分までの映像が復元された。だが、当時三等航海士のパク・ハンビョル氏、旅客部船員のカン・ヘソン氏、一般人生存者の3人がこの日午前9時30分まで映像を見たと証言している」と話した。さらに「この日午前の44分間の映像記録を確保できれば、沈没原因や船体の状況にさらに近づけるだろう」と強調した。彼は「誰かがDVRから見せたくない場面を削除したという疑いを持っている。装置のすり替えや映像内容の操作などの疑惑を完全に解くために、特別捜査団を設置し全面的に再捜査をしなければならない」と強調した。

 これに先立って先月24日、社会的惨事特別調査委員会は当時の捜索・救助に参加した海軍・海洋警察関連者を、証拠隠滅、職権乱用、偽計公務執行妨害の疑いでソウル中央地検に捜査依頼した。特調委は「海軍の潜水士が、ヘッドカムで船内の分離・回収・移動過程を撮影した水中映像にDVRが一度も現れないで、ケーブルコネクターのネジを外して本体を回収したと明らかにしたが、引き揚げ後にはコネクターの残存部分を発見できなかった」と明らかにした。キム・ジンイ特調委調査2課長は「海軍が引き揚げた本体と、検察が確保した本体は、右側の取っ手のゴムパッキングの有無、鍵穴が回された位置、カギのかすがいの毀損状態などが異なっており、同一のものとは見難い」と強調した。

アン・グァノク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/892261.html韓国語原文入力:2019-05-01 19:50
訳J.S

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