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金委員長が史上初めて最高人民会議代議員に出馬しなかった理由とは

登録:2019-03-13 06:08 修正:2019-03-13 08:48
687人の名簿に名前見当たらず 
「全人民の代議員」に推戴される可能性も
北朝鮮の金正恩国務委員長が今月10日、最高人民会議第14期代議員選挙に参加し、投票している/聯合ニュース

 金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が、10日に行われた最高人民会議第14期代議員選挙に出馬しなかったことが確認された。1948年の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の創建以来、最高指導者が最高人民会議代議員選挙に出馬しなかった前例が一度もなかったことから、金委員長がこのような選択をした背景に関心が集まっている。

 「朝鮮中央放送」と「朝鮮中央テレビ」が12日に発表した最高人民会議第14期代議員687人の名簿には、金正恩委員長が含まれていない。「99.99%が選挙に参加、100%が賛成投票」という北朝鮮の中央選挙委員会の発表からして、金委員長はそもそも今回の代議員選挙に立候補しなかったことになる。

 政府当局者は「北朝鮮の最高人民会議代議員選挙は選挙区あたり1人の代議員を選ぶ方式」だとし、「北朝鮮の放送が687選挙区当選者名簿を漏れなく発表しており、金員長は第14期代議員ではないという事実が確認された」と述べた。

 北朝鮮憲法によると、最高人民会議は「朝鮮民主主義人民共和国の最高主権機関」として「立法権を行使」する。同会議には国務委員長の選出・召喚権もある。任期は5年だ。

 政府当局者は「金委員長が最高人民会議代議員に選出されなかったことの政策的含意は、4月9~10日ごろ開かれる最高人民会議第14期第1回会議で確認できるものと見られる」と述べた。これに関し、北朝鮮の事情に詳しい元政府高官は「4月初めの第1回会議で、金委員長を特定の選挙区ではなく、“全人民の代議員”に推戴し、象徴的な地位を与える可能性もある」と見通した。最高人民会議の際、一般の代議員である最高指導者が、最高人民会議常任委員長・議長よりも上座の中央に座ってきた慣例をなくすことで、最高人民会議の形式的“独立性”を高める狙いと見られる。

イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/885678.html韓国語原文入力:2019-03-1221:28
訳H.J

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