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豊渓里核実験場の永久閉鎖の検証方法とは

登録:2018-10-09 05:30 修正:2018-10-09 07:54
ポンペオ長官「多くの実務解決されてから可能」 
ビーガン-チェ・ソンヒのウィーン会談で協議される見込み 
米国が査察団を主導…CTBTO参加可能 
「坑道を不可逆的に廃棄するかどうか見る」 
爆破の現況・補助施設の破壊も検証 
専門家たち「試料採取の必要性」を主張
今年5月24日、北朝鮮核兵器研究所の関係者らが咸鏡北道吉州郡豊渓里核実験場の核実験管理指揮所の施設を爆破する場面=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮が「非核化の検証」の最初のボタンとして、咸鏡北道吉州郡豊渓里(プンゲリ)核実験場に対する「査察」を提示した。検証の方法と範囲は決まっていないが、北朝鮮が検証を伴った具体的な非核化措置を取る意思を明らかにしただけに、今後の朝米交渉に肯定的に作用する見通しだ。

 北朝鮮が今年5月24日に爆破して廃棄した「北部核実験場」の検証を、誰が、いつ、どう行うかはこれから朝米が調整しなければならない部分だ。マイク・ポンペオ米国務長官は訪朝翌日の8日、ソウルで開いた記者会見で「実務協議がまとまり次第」豊渓里現場に査察団を送る計画だと明らかにした。彼は「金委員長は彼ら(査察団)を受け入れる準備ができていると述べた」としながらも、「実行に移すまでは多くの実務が解決される必要がある」と付け加えた。スティーブン・ビーガン米国務省北朝鮮政策特別代表と、彼が予想する対話相手であるチェ・ソンヒ北朝鮮外務副相が、オーストリア・ウィーンの実務交渉で真っ先に協議する議題に挙げられる。

 査察団の構成と関連し、多く取りざたされている国際原子力機関(IAEA)は核の平和的利用のための機構であるため、核兵器として分類される核実験場に対する査察の主務を務める可能性は高くない。外交界では、米国が作業を直接主導すると予想されている。北側が独立機関の参加を主張する場合は、包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)などが含まれることも考えられる。その他には、英国やフランス、ロシア、中国など核保有国専門家らが参加する可能性もある。

今年5月24日、咸鏡北道吉州郡豊渓里核実験場4番坑道の爆破前の内部の様子。4番坑道はまだ核実験を行っていない坑道で最も大きな規模の核実験のために建設されたという=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 豊渓里核実験場の検証の方法や範囲も関心事だ。政府関係者は「ひとまず、北朝鮮が坑道の入り口だけを崩したのではないかという疑念があるため、北朝鮮が主張しているように坑道自体が不可逆的に廃棄されたのかを見るだろう」と話した。その方法で「確実に爆破されたかどうかを把握するため、どこに、どのような爆薬をどれほど爆破させたのか」(イ・チュングン科学技術政策研究院先任研究委員)を確認できる。「坑道の中まで崩壊させる方法はないため、周辺補助施設が完全に破壊させたのか見る」方法(アン・ジンス元韓国原子力統制技術院責任研究員)も考えられる。二人の専門家のいずれも、完璧な検証のためには地下洞窟を掘削するか、直ちにボーリングを実施するのが難しければ、坑道の周辺植物や水、土などを採取して分析する必要があると指摘した。米国側では、豊渓里核実験場の試料採取を通じて、北朝鮮の核能力を把握するのが検証の主要目的とされているが、北側がこれを受け入れる可能性は高くないというのが、専門家らの大方の予想だ。

5月24日、咸鏡北道吉州郡豊渓里核実験場の爆破作業が始まる前に、北朝鮮軍人が2番坑道の前を守っている姿=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 豊渓里核実験場の永久廃棄処分は、金委員長が4月27日の第1回南北首脳会談で口頭で約束(5月公開の閉鎖)したもので、4月20日、労働党中央委全員会議(第7期3次)の決定事項だった。北朝鮮は5月24日、6回の核実験のうち5回が行われた2番坑道を皮切りに、すでに閉鎖されたとされる1番坑道を除いた大半の施設を爆破した。北朝鮮が初めて行った可視的非核化措置だったが、外部の専門家らが立ち会っておらず、信頼性をめぐる議論になった。金正恩(キム・ジョンウン)委員長はこれについて、先月9日に訪朝した対北朝鮮特使団に「非核化に向けた先制措置を行ったのに、このような善意を善意として受け止めてほしい」として、もどかしさをにじませたという。朝米関係に詳しい政府関係者は豊渓里核実験場の査察団招請と関連し、「小さな措置だが、大変具体的な措置」だとし、「朝米の間で問題になっている信頼を築くのに重要な要素になり得る」と話した。

キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/864952.html韓国語原文入力:2018-10-08 22:25
訳H.J

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