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「韓国語の勉強のために塾に行く」…高麗人同胞4世の青少年の悩み

登録:2018-08-29 17:43 修正:2018-08-30 08:37
高麗人人文研究所、27日に高麗人の暮らしと文化学術大会 
キム・ナギョン、ソン・ボンギュ研究員、高麗人青少年8人と深層面接
今月27日、光州国立アジア文化の殿堂で高麗人人文研究所の主催で高麗人の暮らしと文化をテーマに学術大会が開かれた=高麗人人文研究所提供//ハンギョレ新聞社

 「お母さんもお父さんも仕事に出て、夜遅く帰ってくる。私は韓国語が分からないので高校に行かず、ただ家にいる。大人になってお金を稼ぎたいが、それでは韓国を出なければならないから、いっそこれ以上年を取らなければいいのに」

 光州広域市に住む高麗人同胞4世のOさん(17)の言葉には、高麗人の青少年たちの悩みがそのまま込められている。キム・ナギョン(全南大学世界韓商文化研究団研究委員)、ソン・ボンギュ(全南大学世界韓商文化研究団研究教授)博士は27日、光州(クァンジュ)国立アジア文化の殿堂にて高麗人人文研究所の主催で開かれた学術大会で「光州に居住する高麗人同胞青少年の生活実態に関する探索的研究」という論文を発表した。彼らは「高麗人同胞4世、5世は法的地位が外国人なので、韓国社会に適応・定着するのに困難が多い」と指摘した。在外同胞法で高麗人は3世(親または祖父母の一方が韓国国民だった者)までのみを在外同胞と認めているからだ。

今月27日、光州国立アジア文化の殿堂で高麗人人文研究所の主催で「百人の食卓、千人の遊び場」というテーマで研究所の開所記念学術大会と文化公演行事が開かれた=高麗人人文研究所提供//ハンギョレ新聞社

 光州広域市に登録し居住している高麗人同胞は、2017年12月現在2869人だが、他の地域に登録し光州に居住している人まで含めると約4000人にのぼる。光州地域の多文化生徒は2017年4月現在、小・中・高校287校に在学中であり、小学生1987人、中学生377人、高校生245人など2609人と調査された。彼らは「ソ連の強制移住や民族語使用禁止政策で朝鮮民族の言語を喪失したまま生きてきた。高麗人同胞4世、5世など青少年たちは韓国語だけでなく、歴史・文化などを知らずに暮らしてきた」と指摘した。

 彼らは10~12日、光州高麗人村に居住している青少年と関連機関の関係者8人を対象に施行した深層面接を実施した。11~23歳の間の高麗人同胞青少年たちに家庭生活、学校生活、地域社会生活などと関連した質問を投げ、回答する方式だった。彼らは「韓国に来る前に親と離れて過ごし、何の準備もなく韓国に来た青少年たちは、心理的に不安感を持つようになり、親との関係をさらに弱体化させる」と指摘した。「もう会話が成り立たないから。なぜなら遅くまで“ドカタ”(肉体労働のこと)ばかりしているから。自分の国では音楽家だったんです。ところがここでは遅くまで働いてばかりだから、完全にストレス、肉体的なストレスばかり溜まって帰ってくるんです。でも、あまりに疲れて会話するのも嫌で、会話にならなくて」(面談者1)

 韓国語をほとんど話せず、欠席したり学校の授業についていけないケースも少なくない。彼らは「言語的限界や文化の違いは日常生活や学校生活の不適応となり、アイデンティティの確立にも影響を及ぼす」と分析した。「授業が難しいです。私は専攻授業がちょっと難しいです。言語の方…文法が…。それで今回私は文学だけ受講を申請しました」(面談者2)

27日、光州国立アジア文化殿堂で高麗人人文研究所の主催で学術大会と文化公演が行われた。左から2番目がホン・インファ所長=高麗人人文研究所提供//ハンギョレ新聞社

 光州に居住する高麗人同胞青少年たちにとって、韓国語は大きな悩みだ。高麗人同胞青少年は個人的に勉強することを越え、私教育を受けるケースもあるという。「塾に通っています。普通の家でロシアの先生が講義してくれるんです。弟(妹)と。高麗人の先生。ここにある家で。ひと月に20万ウォン(約2万円)。2人。5回。週末だけ休みます。先生の家ではなくて、部屋を借りて行なう...。他の多くの友達も勉強しました。40人くらい勉強しています。ある授業では1クラス5人くらいで授業をします。韓国語の実力ごとに違います。上手な人は別で。おばあさんの友達、その友達の孫娘、その孫娘の息子がそこに通っていて知りました」(面談者3)

 不安定な滞在資格と言語・文化の限界にぶつかり困難を負う高麗人同胞青少年のための支援と対策作りが急がれる。何よりも高麗人同胞青少年たちの入国の実態など、基礎的な統計や現況把握が必要だ。キム・ナギョン研究委員は「在外同胞法の同胞の範囲を拡大し、同胞青少年たちが韓国でより安定して定着し活動できるよう、支援の根拠を設けることが重要だ」とし、「各自治体や教育庁などで公式的な経路を通じて韓国語教育が行われるよう、支援対策を講じなければならない」と話した。

チョン・デハ記者r(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/859552.html韓国語原文入力:2018-08-28 12:13
訳M.C

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