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金正恩、「核のない人民軍隊」念頭においた国防改革を始動か

登録:2018-05-19 08:58 修正:2018-05-19 09:22
2年ぶりに党中央軍事委拡大会議を主宰 
国家防衛事業の改善、組織的対策を論議 
朝米会談対策案も議論したもよう
朝鮮労働党中央軍事委員会委員長である金正恩国務委員長が党中央軍事委拡大会議を主宰し「国家防衛事業全般の改善のための組織的対策」の論議・決定を「指導」したと、18日付「労働新聞」が1面にわたり9枚の写真とともに伝えた/朝鮮中央通信 聯合ニュース

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が朝鮮労働党中央軍事委員会拡大会議を主宰し、「国家防衛事業全般に改善をもたらす組織的対策を討議・決定」したと18日、「労働新聞」と「朝鮮中央通信」が報道した。金委員長が「金正恩式国防改革」戦略・方案をこの会議で確定したという意味だ。党中央軍事委拡大会議は2016年5月、第7次労働党大会直後に開かれて以来2年ぶりだ。

 「労働新聞」などは関連決定内容を具体的に明らかにしていないが、大きく見て、経済・核建設並進路線の「完了」宣言による(1960年代以降続いている)「軍事先行」原則の再調整▽「核のない人民軍隊」を念頭に置いた軍事路線・国防戦略の再調整が核心だろうと専門家らは分析した。

 実際、金委員長は会議で「全軍が党中央委7期3次全員会議での決定の貫徹を担保していくことについて強調」したと「朝鮮中央通信」などは伝えた。「4・20全員会議」の主要決定事項は、並進路線「完了」宣言▽「社会主義経済建設総力集中」の新しい戦略路線の採用だ。金委員長は「人民軍隊が祖国保衛も社会主義建設も担うというスローガンを高く掲げ、社会主義経済建設の(…)聖なる使命と任務を輝かせ、遂行していくという期待と確信を表明した」と「朝鮮中央通信」は強調した。韓国のぺク・テヒョン統一部報道官はこの日ブリーフィングで、「金委員長が4・20全員会議での決定の実現について強調したと報道された。このような新戦略路線に対する北朝鮮軍レベルの立場の整理があったのではないかと思う」と明らかにした。

 さらに、今回の会議では、党中央軍事委の一部の委員らと武力機関の責任者たちの解任・任命が扱われたと「労働新聞」などが伝えた。金正恩委員長を除く13人(ファン・ビョンソ、パク・ボンジュ、パク・ヨンシク、リ・ミョンス、キム・ヨンチョル、チェ・ブイル、キム・ギョンウク、リ・ヨンギル、ソ・ホンチャン、チェ・リョンヘ、リ・ビョンチョル、チョン・ギョンテク、チャン・ギルソン)の中央軍事委員のうち、人民軍総政治局長の座を譲り党職に復帰したファン・ビョンソの代わりに、キム・ジョンガク新総政治局長を起用するなど、複数の委員の交代が行われたようだ。人民軍総参謀長(リ・ミョンス)や人民武力相(パク・ヨンシク)など、軍首脳部の交代の可能性も排除できない。

 今回の会議開催は、北朝鮮内部的には「4・20全員会議」の後続措置だが、外部には、朝米首脳協議への対備▽4・27南北首脳会談と「板門店(パンムンジョム)宣言」後続措置作りの性格があったようだ。「並進路線完了宣言」に続く金委員長の「朝鮮半島非核化」と「核のない朝鮮半島」と「恒久的平和体制構築に向けた段階的な軍縮」の約束(4・27板門店宣言)による軍事路線・国防政策の再調整があったのだろうという分析が出ているのもそのためだ。軍事専門家のキム・ドンヨブ慶南大学極東問題研究所教授は「北側が議題として明らかにした『国家防衛事業全般改善』を我々の言い方で言えば『国防改革』になる」とし、「核心は『核のない人民軍隊』を通じた国家防衛戦略作りだろう」と指摘した。

イ・ジェフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/845279.html韓国語原文入力:2018-05-18 21:38
訳M.C