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今月6日午後、北朝鮮芸術団本陣を乗せた万景峰号92号が江原道東海市墨湖港に入港している＝東海/パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

　日中にも気温が氷点下2度まで下がった午後4時20分。江原道東海市（トンへシ）墨湖港の墨湖防波堤と埠頭の間に、万景峰92号の煙突に描かれた人民共和国旗（人共旗、北朝鮮の国旗）が見え始めた。万景峰号が埠頭に近づくほど、旅客船ターミナルの近くにいた保守団体メンバーらの反応が激しくなった。叫び声もますます大きくなった。約300人あまりの保守団体メンバーらを歓迎の人出と勘違いした北朝鮮の関係者らは、客室の外に出てきて手を振ったが、彼らが人共旗を燃やす姿を確認した後は、カメラを持って写真を撮った。

　ヒョン・ソンウォル三池淵(サムジヨン)管弦楽団団長を含めた北朝鮮芸術団本陣約140人を乗せた万景峰92号が、6日午後5時に江原道東海市墨湖港に入港した。万景峰92号が韓国に入港したのは、2002年の釜山(プサン)アジア競技大会以来5611日ぶりだ。万景峰号は当時、北朝鮮応援団約300人を乗せて釜山（プサン）多大浦港に入港した後、2週間停泊し、宿泊場所として使われた。同日午前、元山(ウォンサン)港を出発した万景峰号は朝9時50分に東海(トンヘ)海上境界線を通過した後、南側の護送鑑の案内を受けながら、最大13ノット(時速約24キロ)速度で航海した。墨湖港埠頭に入った万景峰号は5時に、海上警察2隻とタグ・ボート2隻の案内を受けて接岸した。

　前日芸術団の到着地に決まった墨湖港は、一日中あわただしい様子だった。墨湖港沿岸旅客船ターミナルには保安検査台が設置されており、墨湖港周りには五輪マスコットの絵とともに「平和五輪を祈願します」と書かれた垂れ幕が掲げられた。同日、万景峰号を見るために旅客ターミナルを訪れた東海市民キム・ソングクさん(54)は「万景峰号が墨湖に来ると聞いて、来てみた。平昌五輪の成功と共に、芸術団公演も無事に行われることを願っている」と話した。

　同日、墨湖港旅客ターミナルの近くには国内外の取材陣や保守団体会員数百人が集まり、混雑を極めた。万景峰号が埠頭に入ると、大韓愛国党をはじめとする保守団体のメンバーらは、金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長の写真と人共旗を燃やそうとして、それを阻止する警察と衝突した。保守団体のメンバーらは万景峰号に向かって愛国歌を合唱し、「北朝鮮に帰れ」、「平壌(ピョンヤン)五輪になってはいけない」と叫んだ。

　芸術団の技術実務陣で構成された先発隊23人が5日、京義線陸路を利用して韓国入りしたのに続き、同日には芸術団の本隊が海上に到着したことで、160人規模の芸術団全員が到着した。芸術団は8日と11日、それぞれ江陵（カンヌン）とソウルで「平昌冬季五輪、パラリンピックの成功を祈願する三池淵管弦楽団特別公演」を行う。芸術団は、江陵公演が開かれる8日まで江陵と墨湖港を行き来しながら、万景峰号を宿舎として利用した後、その後列車でソウルに移動し、ソウル国立劇場ヘオルム劇場で開かれる公演を準備するものとみられる。

　一方、統一部は万景峰92号と関連し、北側がの要請があれば、8日の江陵公演まで、北朝鮮芸術団の宿泊に必要な食材や飲用水、暖房用の石油などを提供するものと見られる。統一部当局者は「2002年アジア大会など、前例に準じて支援する予定」だとしたうえで、「まだ北側が要請した事実もなく、内容について具体的に決まったこともない」と明らかにした。同当局者は、万景峰号をめぐる対北朝鮮制裁違反の論議について、「政府は制裁違反をめぐる問題が発生しないように、米国など国際社会と緊密に協議していく予定」だと強調した。

　7日午前にはキム・イルグク体育相など、北朝鮮民族オリンピック委員会(NOC)関係者4人や応援団229人、テコンドー演武団26人、記者団21人など、約280人が京義線陸路を通じて韓国入りする。