文在寅(ムン・ジェイン)政府初の南北の人的交流として注目を集めたヒョン・ソンウォル三池淵(サムジヨン)管弦楽団団長率いる北朝鮮芸術団事前点検団が、2日間の訪韓日程を終えて北朝鮮に戻った。
ヒョン団長一行は訪韓2日目の22日午後2時14分、平昌(ピョンチャン)冬季五輪の祝賀公演を行う北側芸術団の公演場候補の一つであるソウル中区奨忠洞(チャンチュンドン)の国立劇場ヘオルム劇場に到着し、音響と照明などを細かく確認した。ヒョン団長は、音響コントロールボックスの後ろに立ち、照明の位置を確認し、「音楽を聴かせてほしい。管弦楽で」と、具体的に要請した。これに国立劇場関係者が「『アリラン』にする」と答え、ヒョン団長が「大丈夫だ」と言うまで、管弦楽で編曲された「アリラン」を1分30秒ほど再生した。
ヒョン団長一行は同日午後3時21分まで1時間以上1500席規模の国立劇場の施設を点検した。国立劇場の前に訪れた蚕室(チャムシル)学生体育館と奨忠(チャンチュン)体育館ではそれぞれ15分ほど滞在したことから、北側芸術団がソウル公演の舞台として国立劇場を念頭に置いているものと見られている。これによって、江陵(カンルン)公演場としては、前日に北側が関心を示した江陵アートセンターが、ソウル公演場としては国立劇場がそれぞれ有力視されている。
一方、文化体育観光部は同日、ソウルと江陵で一度ずつ開かれる北側芸術団の公演を、招待客中心の無料観覧の形で推進する意向を明らかにした。
これに先立ち、ヒョン団長一行は同日午前9時14分に江陵駅で臨時編成されたKTX列車でソウルに向かった。ヒョン団長はソウルに来る列車の中で「どうしてこんなにマスクをつけている人が多いのか」と尋ね、乗務員が「PM2.5のため」と説明する場面もあったという。
ソウル公演場の候補3カ所を見回ったヒョン団長一行は、訪韓最後の日程として、ソウル広場洞(クァンジャンドン)にあるウォーカーヒルホテルを訪問し、夕食を取った。ウォーカーヒルホテルでは以前にも重要な南北会談が頻繁に開かれたことから、北側芸術団の宿舎として使用するための事前点検レベルと見られる。ヒョン団長と北側点検団は、1泊2日間の訪韓の日程を終えて、同日夜9時にウォーカーヒルホテルを出発し、訪韓した路をそのまま辿り、京義線陸路を通じて北朝鮮に戻った。