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雇用部、3月末まで「最低賃金違反小細工」を集中点検

登録:2018-01-10 21:56 修正:2018-01-11 08:51
29日からコンビニ等5つの業種
賞与金の基本給化、労働者の同意が必要
書類上の休憩時間、働いたら賃金支給
3週間のキャンペーン後直ちに司法処理
「最低賃金引上げの無力化は許さない」建国大、慶熙大、高麗大、成均館大、ソウル市立大、延世大、梨花女子大、仁川大、中央大、韓国外大、弘益大の学生たちが8日午前、ソウル西大門区の延世大正門前で「賃金引上げ効果の無力化に対抗する大学非正規労働者の闘争支持記者会見」を行なっている//ハンギョレ新聞社

 賞与金を基本給に含み込む、休憩時間を増やして働かせる、人件費を減らすためとして解雇するなど、最低賃金の負担を避けようとする使用者の“小細工”がさまざまな形で現れている。 これに対し雇用労働部は、今月29日から3月末までの2カ月間、最低賃金違反事業場に対する集中点検に乗り出すと8日明らかにした。 今回の点検は最低賃金違反が頻繁なアパートおよびビル管理業(警備)やコンビニ・ガソリンスタンド・飲食店・スーパーマーケットの5つの業種を主要対象とする。 これら5つの業種は最低賃金関連の陳情が多く提起される分野に挙げられる。

■ 賞与金の基本給化、労働者の同意が必要

 最近、最低賃金の算入範囲と関連して議論が起こりもした「賞与金の基本給化」について、雇用労働部は労働者の同意がなければ不法と見た。 これは最低賃金引上げに伴う人件費負担を減らそうとする使用者側が最もよく活用するやり方でもある。 賞与金を一部減らしてその縮小分だけ基本給を上げて最低賃金法定基準を越える方法がある。 また、6カ月に一度支給していた賞与金を割って毎月定期的に支給するように替え、賞与金全体を最低賃金算入範囲に含めるやり方もある。 このようにすれば賃金を全く上げなくとも最低賃金基準を守ることができる。

 これについて雇用部は、賞与金縮小あるいは支給周期変更が「就業規則の不利益変更」に該当するため、労働基準法第94条により労働者の半分以上で組織された労組の同意が必要であると指摘した。 過半数労組がなければ労働者の半分以上の同意を得なければならない。食費・交通費など固定で支給されていた福利厚生費も労働者の同意なしに使用者が一方的に廃止することはできない。

■ 書類上の休憩時間、働いたら賃金支給

 雇用部は休憩時間延長の小細工も違法となり得ると判断した。 最低賃金引上げ以後、警備業などでは書類上でのみ休憩時間を増やして賃上げ幅を減らし、仕事は同一にさせるやり方の便法が現れた。

 労働基準法第54条により、休憩時間とは労働者が使用者の指示から脱して自由に使うことのできる時間を称する。 休憩時間にも実質的に業務をしたならば、これは勤務時間と認められて賃金が支給されなければならない。 賃金をもらえなければ地方雇用労働庁に使用者を相手に陳情や告訴を提起することができる。 実際に業務から自由になる“本当の”休憩時間を延長するにしても、労働者の同意を得て労働契約書を変更しなければならない。

バイト労組の会員たちが大統領府前で最低賃金1万ウォンのための1万ウォンキャンプ開始の記者会見を行なっている//ハンギョレ新聞社

■ 3週間のキャンペーン期間後“小細工”は司法処理

 このほかに、見習い期間制度の便法的活用、人件費節減のための労働者解雇、福利厚生費廃止なども違法に該当する。

 使用者は3カ月に限り見習い期間には最低賃金の90%を支給することができるとして、短期アルバイト労働者の賃金を削ったりする。 しかし最低賃金法は1年未満で契約した労働者にも、別途の訓練が必要でないインターネットカフェ・コンビニなど単純労務職の場合の見習い期間にも、最低賃金全額を支給するよう定めている。 人件費を節減するために労働者を解雇する“小細工”も法の網をくぐり抜けるのは難しい。「人件費節減」は正当な解雇事由になり得ず、他の正当な事由がなければこれは不当解雇に該当する可能性がある。被害労働者は労働委員会に救済申請ができる。 解雇事由と関係なく、使用者から解雇30日前に解雇通知がなされなかった場合は30日分の通常賃金支給も受けられる。

 また、平素固定で支給されていた食費・交通費など福利厚生費を一方的に廃止するのも「就業規則の不利益変更」であるため、労働者の同意がなければ無効だ。

 雇用部は本格的な点検に先立って28日まで3週間のキャンペーン期間を持ち、事業場を対象に最低賃金遵守に関する説明会などを開いて雇用安定資金の広報も一緒に進めていく。 キャンペーン期間以後、点検を経て雇用部の是正指示を履行しない違反事業場はすぐ司法処理される予定だ。

イ・ジヘ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/826818.html韓国語原文入力: 2018-01-08 18:16
訳A.K

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