「それでも自分の子どもが通っていた学校なのに、薄情さに悲しみがこみ上げます」
2014年4月16日に“星になった子どもたち”の母たちが京畿道安山(アンサン)の檀園高校体育館で幕を上げようとした演劇公演が急に取り消しとなった。檀園高校の体育館は、セウォル号の惨事当日、青天のへきれきのようなニュースを聞いて集まった親たちが地団太を踏み、結局胸を打って泣いたまさにその場所だ。
4・16家族劇団「黄色いリボン」の話によると、劇団は当初9日に檀園高校の体育館で演劇「隣りに暮らして隣りに死んで」を公演することにしていた。黄色いリボンは2015年10月、演劇治癒の会として結成され、2016年3月に正式に劇団となった。犠牲となった生徒の母7人と生存者の生徒の母1人、計8人が団員として活動中だ。
黄色いリボンは先月28日「受験を終えた3年生のために公演をしてほしい」という檀園高校の教師らの提案を受け、大いに悩んだ。まだ胸に埋めることのできない子どもの体臭がそのまま残っている檀園高校が公演会場だったからだ。だが、母たちは「私の子どもの後輩たちにセウォル号の惨事をもう一度記憶する機会を与えよう」と意見をまとめた後、公演することにした。その後、檀園高校の公演を控えた母たちは緊張の中で練習をしてきた。この公演に深い意味を置いた4・16家族協議会は、檀園高校に公演が本当にできるか確認してほしいという公文書まで送った。
しかし、公演はできなくなった。檀園高校は公演中止の理由を「理由を明かすことはできない」とし、劇団に2日、通告した。教師たちは「下から変化を試みたが、疎通できない状況が起きた。遺族に申し訳ない」と伝えた。教師たちの言葉を総合すると、檀園高校の校長と教監に公演の計画が知られた後、理由もわからず公演することができなくなった。
知らせを伝え聞いた遺族たちは「檀園高校でこんな対応がありえるのか」、「4年がたっても何も変わらない」と、激昂した反応を見せた。キム・テヒョン韓国民族芸術人総連合安山支部長は「心を痛めながら決定してくれた母親たちに何と慰めの言葉をかければよいかわからない。学校の態度が理解できない」と話した。
檀園高校の教監は「文化体験行事はクラス別にするものであり、内容をまったく知らなかった。公演をしないように阻止したのではない。ただ、公演を推進した教師たちがあまりに急いだため事がこじれたと聞いている」と話した。