19日、済州(チェジュ)のある飲料会社で現場実習途中に死亡したイ・ミノ君以外にも、今年だけでも手・足の指の切断事故が4件発生するなど、現場実習高校生の労働災害が相次いで起きていたことが明らかになった。メディアと政界の関心で話題になったイ君の事件がなければそのまま埋もれてしまった事件だ。
29日、教育部の「現場実習での事件・事故現況」および「2017労働災害生徒リスト」によると、今年一年で全部で4人の高校生が現場実習途中に手または足の指を失ったり怪我をした。17日、仁川(インチョン)のある食品会社で実習中だったP君(18)は、肉を切る機械(肉切機)に挟まった肉を取ろうとして左手の指が切り取られる事故に遭った。P君は病院に運ばれ縫合手術をした後、現在入院治療を受けている。今年2月、蔚山(ウルサン)のある特性化高校3年生のK君は、蔚山市蔚州郡(ウルチュグン)にある電気関連会社(社員20人)で働いていたが、右手の指4本が機械に挟まれる事故に遭った。デジタルコンテンツ科に在学中のK君は現場派遣当時、製品図案作業など安全な業務に配置されたが、事故の一日前から切断作業を学び始めたものと教育部は把握している。企業に派遣された生徒が約束された業務ではない「危険業務」に配置されたのだ。
木浦(モッポ)のある特性化高校3年のP君も、ボイラー関連製造会社で現場実習中に右足の親指と人差し指が切断された。木浦のまた別の特性化高校3年生のF君、あるサービス会社で現場実習中に右足の指4本が骨折し、入院治療を受けた。
似たような事故は昨年にも起きた。9月、蔚山のある特性化高校3年生のL君は、従業員数17人規模の畜産物加工会社で現場実習を行っていたところ、畜産物切断機で左手の中指の一部が切られた。L君は畜産物切断機で切られた肉が出てくるとこれを梱包する仕事をしていた。やはり危険業務に該当する。
実習会社の先輩との不仲に耐えきれず投身するケースもあった。警察の説明などを総合すると、16日、京畿道安山市(アンサンシ)半月工業団地のあるプラスチック製造工場で働いていた特性化高校3年のP君(18)は、先任に指摘を受け会社の4階の屋上から自ら飛び降りた。P君は工場の建物の前に駐車している貨物車の上に落ち、足と頭に重傷を負い、病院で治療中だ。P君は現在、人工呼吸器に依存しているが、目を合わせられるほどに意識は回復したという。安山檀園(ダンウォン)警察署の関係者は「飛び降りる直前にP君が学校の担任教師と電話で話しながら『一緒に働く先任職員から暴言の混じる指摘を受けた』と苦しさを訴えたという供述を受け、詳しい事件の経緯を調べている」と明らかにした。一方、会社側は警察の調査で「職員たちは実習生を弟のようによく面倒をみた」とし、暴言の事実を否定した。
教育部は昨年の現場実習会社の実態調査を通じて有害・危険業務3件と勤務時間超過63件、セクハラ17件、賃金未払い14件、暴行12件などがあったとみて、今年5月、雇用労働部に実習会社109カ所に対する労働監督を要請した。
昨年教育部に報告された実習生労働災害申請は計26件で、このうち21件が労災と認められた。教育部関係者は「各学校と市・道教育庁が報告したものだけ把握が可能で、実際の労働災害の発生件数はもっと多い可能性もある」と話した。