「朴槿惠-チェ・スンシルゲート」を捜査しているパク・ヨンス特別検察官チームが23日、チェ・スンシル氏(60・拘束起訴)などと共謀し、企業から後援金を受け取った疑いをかけられているキム・ジョン元文化体育観光部2次官(55)を、24日に召喚する方針を明らかにした。今月21日に開所式を行って公式に発足した特検チームが、公式捜査に着手してから主要被疑者を公開召還するのは、キム元次官が初めてだ。
キム元次官はチェ氏やチェ氏の姪であるチャン・シホ氏(37・拘束起訴)と共謀して、2015年10月から2016年3月までサムスングループのプロスポーツ団を総括するキム・ジェヨル第一企画スポーツ総括社長に圧力を行使し、サムスン電子がチャン氏の運営する韓国冬季スポーツ英才センターに約16億ウォン(約1億4千万円)を拠出させた嫌疑をかけられている。また、キム元次官はチェ氏やチャン氏と共に、2016年4月から6月にかけてグランドレジャー・コリア(GKL)に圧力を行使し、英才センターに2億ウォン(約1950万円)を拠出させた疑いもかけられている。特検チームの代弁人のイ・ギュチョル特別検察官補は「これまでの供述を確認し、追加調査を行うためのもの」だと話した。
特検チームは、国税庁出身の弁護士を特別捜査官として追加採用し、チェ氏一族の財産追跡に乗り出したと明らかにした。チェ氏一族の「違法な財産形成疑惑」は、特検法が規定した14の捜査対象の一つだ。イ特別検察官補は「チェ氏一家の財産を追跡するため、国税庁幹部出身の弁護士など2人を特別捜査官として採用した」と話した。特検チームは、(チェ氏一族の違法な財産形成に)関連した情報提供を多く受けたと明らかにした。
チェ氏一族は国内外に数千億ウォン(数百億円)台の資産を保有しているという。 財産が急激に増えたのは1970年代後半とされる。チェ氏の父親のチェ・テミン氏は1974年にユク・ヨンス(大統領)夫人が死去してから、救国奉仕団を発足させ、朴槿恵(パク・クネ)大統領を名誉総裁に任命した。チェ氏一族は、朴大統領の影響力を利用して、企業から巨額のカネを受け取って富を蓄積したと伝えられている。「韓国日報」はチェ氏一族がドイツやスイス、イギリス、リヒテンシュタインなどにペーパーカンパニーを設立し、10兆ウォン(1兆円)台の財産を隠匿したという疑惑を報じた。特検はチェ氏一族が朴大統領と共同で財産を管理した可能性も念頭に置いて集中捜査を行っている。
特検チームはドイツに滞在しているチェ氏の娘チョン・ユラ氏の所在地を把握するため、関連機関と協力していると明らかにした。イ特別検察官補は、チョン氏がスイスに難民資格審査を要請したという疑惑と関連しては「(関連内容を)ドイツから公式的に通知されたことはない」と明らかにした。