「平和なこの地にこれ以上苦痛があってはなりません。戦争のない世の中! 平和な国を念願する国民の意思を込めて『釜山平和の少女像』(以下、少女像)をオリニ(子供)大公園に建てることになりました」。挺身隊問題対策釜山協議会のキム・ムンスク理事長(89)が「少女像」を建てることになった契機を述べた。
26日午後、釜山市釜山鎮区のオリニ大公園の学生教育文化会館内広場の一画では、ウィィーンと石を切る音が鳴り響いた。 3月1日午後2時の除幕式を控えて「少女像」設置の仕上げ工事が真っ最中だった。
お下げの髪に左手を胸にのせ、左足のかかとを上げた背丈160センチの青銅「少女像」は、杖を持ったおばあさんと「うちのおばあちゃんだ!」という言葉が陰刻された高さ2メートルの大理石の壁と一体で16平方メートルの区画を占めた。 少女像を作った彫刻家イ・ウォンソク氏は「現実はおばあさんだがかつての少女だ。 左手を胸にのせて前に進む少女には、現在も闘っているおばあさんの姿が込められている。 上がったかかとも、現状に留まらずに前進する意味を込めている」と少女像を説明した。
韓国内外に建てられた50余りの少女像は、慶尚南道統営(トンヨン)、光州(クァンジュ)広域市、ソウル西大門区の大賢文化公園など数カ所を除けば、全て椅子に座り拳を握っているデザインだ。 「ソウル鍾路(チョンノ)の日本大使館前にある少女像は場所の特性など種々の理由から今の形が良いが、その他の地域に建てられた少女像はリアリティーに欠けるところがあり、一つの型にはまっているようで残念だ」とイ氏は話した。 彼は昨年12月、中国初の慰安婦記念館である南京記念館前に建てられた「臨月の慰安婦銅像」の例をあげ「各地域の特性に応じて多様な話が込められた色々な形の少女像を作る必要がある」と明らかにした。
釜山の少女像は、子供たちの小遣いや多くの団体の寄付金による5千万ウォン余り(約450万円)、公園の造成着工から竣工まで才能寄付をした東南総合技術工事(代表チャン・インチョル)など多くの人々の努力で作られた。 政府に登録された「慰安婦」被害者238人のうち生存者は現在44人だけだ。