写真からファンシー用品・衣類まで多様
大衆的人気に乗って市場急成長
SM商品の事業売り上げ昨年の2倍に
1万3千円のイヤホンなど価格に問題
やりすぎのスターマーケティング
ソウルYMCA「公正委に調査要請」
5日午後、ソウル・明洞(ミョンドン)のロッテヤングプラザ1階のSMタウン売り場。若い娘と母親との間で言い争いが起きていた。ロッテ百貨店が23日に蚕室(チャムシル)オリンピックメインスタジアムで開く人気アイドル「EXO」のコンサートのためだ。
ショッピングバッグをいくつも持った娘がEXOのメンバーキャラクターのTシャツと帽子を買ってくれとねだると、母親のキム・ヒソンさん(42)は娘を振り払って背を向けるところだった。キムさんは「娘がコンサートに行きたいというので、S席招待券をもらえる額(15万ウォン以上、1円=9ウォン)のショッピングをしたのに、もっといい席で観たいと買い物の額を増やしてくれと駄々をこねている」と訴えた。今回のコンサートは直接チケットを買う方法はなく、デパートが定めたショッピング限度を満たさなければ招待券を得ることができない。
キムさんの娘のようにアイドルスターに熱狂する国内外のファンが増え、アイドル商品市場はますます大きくなっている。
アイドルスターの商品事業に最も力を入れるのはSMエンターテインメントだ。2013年1月、ロッテ本店ヤングプラザにオープンした「SMタウン」の臨時売り場は12日間で6億3千万ウォンを売り上げ、すぐに正式売り場となった。EXO、少女時代、東方神起、シャイニーなどの所属スターの商品を売るSMの売り場は東大門デザインプラザと三成洞のコエックスにも登場した。
昨年の同社の事業報告書によれば、総売り上げ2870億ウォンのうちレコード・音源売り上げが455億ウォン。総売り上げの15.9%ぐらいなる。公演、広告出演、マネジメント事業のほうが大きな収入源であることがわかる。LIG投資証券のチ・インヘ研究員は「アイドル商品事業はロッテ明洞ヤングプラザのSMタウン・ポップアップストアを通じて高い成長性を確認した。コエックス売り場はこのポップアップストアの2倍以上大きな営業面積で、SMの商品事業売り上げは2014年の2倍増えた580億ウォンが期待される」と話した。
YGエンターテインメントもヤングプラザ2階のコレクション売り場とオンラインモール「YGショップ」でビッグバン、トゥウェニワン、サイなど所属芸能人の写真やカリカチュアなどファンシー用品から衣類まで多様な商品を売っている。教保(キョボ)証券チョン・ユソク研究員は「YGとSMはここ数年の間に衣類、化粧品、旅行会社業などに直接進出するなど、すでに確保されたファン層をベースに本業の成長と一緒に新事業の成長がより増え成長率を高めると見込まれる」と話した。
だが、大型芸能企画会社の高価なアイドル商品マーケティングに対しては、厳しい視線が向けられている。商品価格が過度に高く、好きな芸能人に対する青少年ファンの情熱を金儲けの手段に利用していると批判されているためだ。
ソウルYMCA市民中継室が大手芸能企画会社3社のオン・オフライン売り場で売られるアイドル商品価格を調査をした資料によれば、SMエンターテインメントのEXO関連商品のうち高い価格順で15種類を購入した場合、総額384万4千ウォン(約38万円)かかることが明らかになった。123万ウォンのイヤホンをはじめとしてMCMと共に作ったウサギ人形、アクセサリー、カード入れが、それぞれ56万5千ウォン、29万5千ウォン、19万5千ウォンになり、アイドル商品の主消費層となる青少年が買うには高すぎると市民中継室は指摘した。
シン・ジョンウォン市民中継室長は「一部芸能企画社のアイドル商品価格はスター性を持った価値を認めるとしてもあまりに高い」と語り「市場支配的事業者の乱用禁止における商品価格を不当に決める行為に該当するのか公正委に調査を要請する」と明らかにした。
韓国語原文入力:2015-07-09 22:09