李完九(イ・ワング)首相の電撃的な辞意表明で、朴槿恵(パク・クネ)大統領は再び首相を探さなければならなくなった。就任から2年2カ月、すでに6回目の首相候補の指名となる。
政界では、キム・ムンス前京畿道知事、オ・セフン前ソウル市長、ファン・ウヨ社会副首相兼教育相とチェ・ギョンファン経済副首相兼企画財政部長官、イ・ジュヨン前海洋水産部長官など、約10人の候補群の名前が挙がっている。
まず、ファン・ウヨ社会副首相兼教育相とチェ・ギョンファン経済副首相兼企画財政部長官など、政治家出身の副首相が首相に再抜擢される可能性が挙げられる。人事聴聞会を無難に通過でき、副首相職を経たので安定感があると言われている。しかし、「代わり番人事」、「また親朴(朴槿恵)系」という批判から自由ではなく、後任の副首相の人事まで必要となり、朴大統領としてはむしろ負担になる可能性がある点が問題とされている。セヌリ党のキム・ソンテ議員は「朴大統領が後任首相は側近ではない人物の中で探さなければならない」と指摘した。
同じ親朴系議員だが、セウォル号当時、海洋水産部長官を務めたセヌリ党のイ・ジュヨン議員も候補群に挙げられている。イ議員は長い間、彭木(ペンモク)港にあるセウォル号事故現場を守り、遺族から信頼されるようになったことからも分かるように、温厚で円満な性格が高く評価されている。しかし、政治家出身者は次期総選挙に出馬できないことから負担が伴う。
大統領選挙の有力候補としては、キム・ムンス前知事やオ・セフン前ソウル市長などが挙げられるが、キム前知事は京畿道知事を2期務めたことで積み上げた行政経験と「清廉な」イメージが評価される。オ前市長は政治資金団体「オ・セフン法」を作って、今のような腐敗政局では比較的役立つ側面があり、しばらく政界と離れていた点も利点だが、「無償給食」問題の元祖という点が負担になっている。また、2人とも大統領とコードを合わせるよりは、自分自身の政治ができるという点で、朴大統領が気軽に指名するのは容易ではないというのが、セヌリ党の内外の見通しである。ある首都圏議員は「朴大統領が自分の政治をする人物は選ばないだろう」とし「特にオ前市長の場合、『無償給食反対』」のイメージが強く、(市長辞退で)今のパク・ウォンスン市長を誕生させたという点で、与党内の反発が大きくなる可能性が高い」と述べた。
非政界関係の人物の中では、ユン・ジュンヒョン前企画財政部長官が挙げられる。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権と李明博(イ・ミョンバク)政権で重用され、統合型人事と評価される可能性が高い上、経済と政策に堪能でボス気質があり、国政を早い時間内に安定させるのに役立てるという点が挙げられる。
セヌリ党は、朴大統領の人事スタイルからして、斬新さと改革的イメージを備え政局状況を反転させる意外な人物より、無難な首相を選ぶと予想する意見が多数である。セヌリ党のある再選議員は「李首相が裏金授受の疑いで職を追われるという点で、人事聴聞会を無難に通過できる“道徳性”が最も重要な徳目として作用するだろう」と述べた。
韓国語原文入力: 2015-04-21 20:36