本文に移動

[ルポ]中国不法操業漁船を取り締まる韓国海洋警察船

登録:2014-10-16 22:48 修正:2014-10-17 07:53
禁漁解除を控え経済水域に群がる
一群を追い出せば別の一群がやって来る
夜通し命賭けのかくれんぼ
鉄格子にひっかかり短艇転覆
「武力抵抗に命の危険を感じることも」
海洋警察の高速短艇が16日夜、群山市於青島の南65マイル(120キロ)の海で不法操業中の中国漁船を取り締まっている。この漁船は韓国国旗を掲げて韓国漁船を偽装していた。群山/連合ニュース

 15日午後6時頃、全羅南道 新安(シンアン)郡 黒山(フクサン)面 紅島(ホンド)の北西45マイル(83キロ)の海上。 強風が吹き波が3メートルを超えるほど高かった。夕空には半月がものさびしく浮かんでいた。暗がりで前方を識別できない海には中国漁船数百隻が排他的経済水域(EEZ)を越えて不法操業中だった。 これらの漁船は韓国の海域でイシモチやイカ、それに雑魚まで総ざらいしている。

 中国漁船の取り締まりに出発した西海地方海洋警察庁所属の警備艦3010艦(3000トン級)の操舵室には緊張感が漲っていた。 午後6時30分頃、検問検索要員が乗った高速短艇2隻が同時に3010艦から海面に降ろされた。 1隻に9人ずつ計18人が乗っていた。

 操舵室では高速短艇との無電交信回数が増え始めた。「隊員は互いに離れるな。夜間なので滑り安いから気を付けろ。 安全が最優先だ」。ソン・イルジョン群山(グンサン)海洋警察署長は罪証確保に向け、安全と共にバッテリー点検などの確認を強調した。10日に海洋警察の中国漁船取り締まり過程で発生した中国船長死亡事件を意識してのことだ。

 この日は魚類資源保存のための禁漁期(4月16日~10月15日)解除の前日だ。 3010艦艦長のキム・ククソン警正は「禁漁期解除を控えて大挙操業に出てきた中国漁船が、排他的経済水域の境界線に留まっていて、この日夜暗くなって波が高くなった隙をついて群がってきた」と話した。 西海海洋警察庁は禁漁期が解ける16日から中国の底引き網漁船約1500隻が韓国の排他的経済水域に入って操業するだろうと展望した。

海洋警察官が15日夜、全羅北道群山市於青島の南西84マイル(155キロ)海上で、不法操業中の中国漁船を捕まえ、現場で漁獲物を確認している。 群山/連合ニュース

 海洋警察は中国漁船の不法操業を序盤から遮断するため、15日から17日まで海洋警察警備艦艇17隻など船舶24隻を動員して特別取り締まりを行う計画だ。だが、不法操業の中国漁船は1隻や2隻ではなく、取り締まりには限界がある。一群を追い出せば他の一群が入ってくる。中国船員は凶器などを振るって韓国海洋警察の検問検索要員に激しく抵抗する。 パク・セチョル巡査(32)は「摘発された中国船員が包丁、消火器、ガスボンベなどを投げる。短艇には身を避ける所もないので、命の危険を感じることもある」と話した。 高速短艇検索チーム長イ・ナムゴン警査(42)は「失明の危険があるレーザーガンを中国船員が撃ったり、波が高い時には検問検索要員が短艇から海に墜落したりもする。 最近は中国漁船が甲板を鉄板で覆ったり鉄格子を付けたりしている」と話した。

 実際、この日検問検索要員が取り締まりを受けた中国漁船に上がっている間に、高速短艇1隻が転覆した。 中国漁船が突然方向を変えたために鉄格子に短艇がひっくり返される状況が起こった。 海に投げ出された検問検索要員7人は海洋警察の艦艇によって全員救助された。 この隙を利用して中国漁船は逃げた。

 キム・ククソン艦長は「15日夜と16日未明に不法操業中の中国漁船4隻を拿捕した」として「隊員が負傷しなかったことが幸いだ」と話した。

2013年10月16日、全羅南道可居島北西28海里(EEZ内側27海里)の海域で、木浦海洋警察が不法操業中の中国漁船6隻を拿捕した。木浦海洋警察3009艦と西海海洋警察庁航空隊のカモフヘリコプターが下降風をついて逃走する中国漁船を阻止している。資料写真//ハンギョレ新聞社

群山/パク・イムグン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/660124.html 韓国語原文入力:2014/10/16 20:06
訳J.S(1754字)

関連記事