メインニュースで18日間に3.5件報道
それさえも否定的認識を与える内容
SBSは 11.5件…民間放送にも及ばず
韓国の『MBC』(政府機関が株を所有する半官半民の放送局)のセウォル号特別法関連の報道回数が他の地上波放送局の半分にもならないことが分かった。公営放送局としての社会的責務を果たしていないという批判が出ている。
14日の「民主言論市民連合」(民言連)モニタリング資料を見ると、MBCの看板ニュース番組である「ニュースデスク」は、セウォル号遺族らが国会の座り込みに入った7月12日から徒歩巡礼団がペンモク港に到着した同月29日まで、セウォル号特別法関連報道が3.5件に過ぎない(短信は0.5件と集計)。同じ期間に公営放送の『KBS』の「ニュース9」は10件、民放の『SBS』の「8ニュース」も11.5件だった。総合編成チャンネル『JTBC』の「ニュース9」が32件だったことと比較すれば、11%水準だ。
報道内容についても問題があると指摘されている。ニュースデスクはセウォル号特別法制定を求める遺族ハンストなどは報道せず、その一方で、7月15日に「檀園高校3年生の特例入学法案、教育文化委可決」のニュースは5番目の短信ニュースとして報じた。特別法に否定的認識を与えかねない報道だ。MBCはまた、セウォル号事故から100日目の7月24日、地上波放送のうち唯一、メインニュース番組で関連報道をトップとして扱わなかった。同日のMBCのトップニュースは、政府の景気浮揚対策だった。「民主言論市民連合」のキム・オンギョン事務処長は「事実上セウォル号関連報道に背を向けたものだ」と述べた。
記者たちは、そのもどかしさを口に出して言うこともできずにいる。匿名を希望したMBC報道局所属の記者は「記者たちの間に、まともな報道をしないことに対する怒りと、これを指摘すれば人事処置をされかねないという恐怖が共存している。公正報道を要求する記者たちの声に対し、会社は“野党の肩を持つことになる”という政派的な観点からのみ見ている」と話した。これについて、MBC関係者は「報道を見る基準が異なるため、指摘される内容にいちいち対応しない。現在特に言うことはない。」と語った。
イ・ジョングク記者 jglee@hani.co.kr