専門家たち「時間があまりない」と指摘
8月末に韓・米連合訓練の予定
その時までに契機を作れなければ
朴槿恵政府任期の間
関係改善の主導は望めないかも
「あまり時間がない。今後2ヵ月が峠になるだろう。」
朴槿恵(パク・クネ)政府の今年の“南北関係事業”と関連して、専門家たちが出している一様な展望だ。
今年の南北関係に関する日程だけを見れば、悪材料と好材料が混じっている。1972年の南北共同声明を発表した7月4日をはじめ、8・15光復節と教皇の韓国訪問(8月14日~18日)、仁川(インチョン)アジア大会(9月19日~10月4日)は比較的好材料といえる。一方、8月19日に開始される韓・米合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダム ガーディアン」はマイナス材料だ。6月末まで続く西海のワタリガニ漁も、北方限界線(NLL)地域を緊張に追い込む可能性がある。
何よりも専門家たちが憂慮する部分は、8月末の韓・米連合訓練だ。 南北関係が今のように梗塞状態を抜け出せなければ、北は連合訓練に敏感に反応せざるを得ない。実際、北の対南機構である祖国平和統一委員会(祖平統)は今月4月23日、朴槿恵大統領に送る公開質問状を通して「乙支フリーダムガーディアン演習の中止の用意があるか」について答えるよう要求した経緯がある。政府消息筋は「8月中旬までに南北関係転換のきっかけを作れなければ、政府は合同演習に対する北の反応を憂慮せざるを得ない」とし、「そうなれば、朴大統領が8・15で大胆な対北提案を出すことも難しいし、出したとしても北の呼応が得られないだろう」と述べた。このようなシナリオで進む場合、今年中に南北間の種火を蘇らせることは困難だ。
これに比して、これから2ヵ月間、南北関係を一定の水準に引き上げておけば、フランチスコ教皇の8月18日の“平和と和解のための”明洞聖堂ミサの雰囲気が加わって、軍事訓練に伴う影響を減らすことができる。またこの流れが、北の選手団支援と応援団の構成などの問題を巡って南北間の接触頻度が高まる仁川アジア大会につながれば、南北関係にかなりの弾みがつくものと専門家たちは見ている。コリア研究院のキム・チャンス研究室長は「朴大統領が7月4日の南北共同声明発表日を迎えて“吸収統一はしない”“平和と共存が必要だ”“歴代政府が南北間で合意したことを尊重する”というメッセージを明確に提示することが、関係改善の第一歩であり、最も重要な処置だ」と強調した。
韓半島周辺情勢を見ても、朴槿恵政府の任期内では、今年が主導的に南北関係を改善できる事実上最後のチャンスだ。日朝交渉が進展すれば安倍晋三首相が今年末にも訪朝する可能性があり、北朝鮮・ロシア間の経済協力も速度を上げているためだ。 来る11月に米上・下院の中間選挙が終われば、米朝関係の風向きも変わる余地がある。今年下半期を無為に過ごしたら、来年からは韓国外交の立地が矮小になり、周辺情勢に引きずられる可能性が高い。
イ・ヨンイン記者 yyi@hani.co.kr