全斗煥(チョン・ドゥファン)前大統領の長男ジェグク(54)氏が全前大統領秘密資金捜査が真っ最中だった2004年に租税回避処に幽霊会社(ペーパーカンパニー)を作って秘密資金を持ち出したのではないかという疑惑が起きている。 次男ジェヨン(49)氏が脱税疑惑捜査・裁判を受けて全斗煥の秘密資金の一部があらわれた時点とジェグク氏の幽霊会社設立時点が正確に一致した。
3日非営利独立言論<ニュース打破>の発表をによれば、ジェグク氏が租税回避処である英国領ヴァージン アイランドに‘ブルーアドニス’(Blue Adonis Corporation)という幽霊会社を設立したのは2004年7月28日だった。 その2日後である2004年7月30日弟のジェヨン氏は贈与税脱税容疑(特定犯罪加重処罰法の脱税)で懲役2年6月に罰金33億ウォンを宣告された。 裁判所はジェヨン氏が「母方の祖父(イ・キュドン前大韓老人会長・全斗煥前大統領の妻の父)から受け取った」と主張した債券の内73億5500万ウォン分が全前大統領の秘密資金だと認めた。
チョン・ジェグク氏の幽霊会社設立と海外口座開設に必要な時間を逆算すれば、‘秘密資金引き出し’情況は非常に明確だ。 チョン氏は租税回避処に幽霊会社を設立した直後、登記理事登録を終え、その法人名義でまた別の国の銀行に口座を作った。 したがってジェグク氏が幽霊会社設立と海外金融機関開設を準備した時点は2004年7月より数ヶ月前と推定される。
2004年2月11日最高検察庁中央捜査部はジェヨン氏を電撃拘束した。 租税脱税疑惑の捜査過程で全前大統領の秘密資金に対する捜査の端緒を発見した。 <ハンギョレ>などは当時この事実を大きく報道した。 検察捜査の他に世論の圧迫まで加わったわけだ。 検察はその年2月27日、ジェヨン氏に対する公訴状を裁判所に提出した。 以後ジェヨン氏は兄ジェグク氏が幽霊会社を作る7月28日まで激しく法廷攻防を行い、3月17日の法廷では父親の秘密資金と関係ないと抗弁した。 5月には陳情書と反省文を出すなど善処を訴えもした。 しかし1審裁判所はジェヨン氏に有罪と罰金を宣告し、ジェヨン氏は8月2日に控訴した。
チョン・ジェグク氏の動きもはやくなった。 ジェグク氏の幽霊会社は8月13日に理事会を開き、アラブ銀行シンガポール支店にブルーアドニス名義の口座を開設することを議決した。 チョン氏の急迫した心情がシンガポール本社とヴァージン アイランド職員がやり取りした電子メールにあらわれている。 シンガポール銀行の職員は、口座開設が遅れチョン氏の金融資産がしばらく凍結されるや「(彼が)非常に腹が立った(very upset)」とか、チョン氏の口座開設作業が「急迫した問題(the matter is now very urgent)」とアイランド支社職員に伝えた。
統合進歩党はこの日声明を出して「全前大統領の秘密資金が(ジェグク氏の)幽霊会社に流れて行き、運営資金として使われたかを明確に明らかにし疑いが事実となれば一銭残らず国庫に還収しなければならない」と主張した。
コ・ナム、ソン・ギョンファ記者 dokko@hani.co.kr
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