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放置された駐車場用地を耕作… "アパート横の菜園共同体 できました"

登録:2013-05-22 00:42 修正:2013-05-22 07:33
[私は農夫だ] 経験20年 都市農夫 パク・サンエ氏
上岩共同家庭菜園(サンアムトゥレトッパッ)の住民代表であるパク・サンエ氏が19日午後ソウル麻浦区(マポグ)上岩洞(サンアムドン)の菜園で在来種ゴボウの葉を取っている。 イ・ジョンア記者 leej@hani.co.kr

アパートの建物の間にあった遊休地を素朴な菜園に仕上げた。 菜園で会った人々が隣人共同体をつくる。 都市農作業が進化している。 経験20年のベテラン都市農夫パク・サンエ氏に会った。

 2010年にカナダ、バンクーバーの都市農作業を訪ねてみた。 都市農夫がトレーラをつなげた自転車を走らせる姿が印象的だった。 農作業に行き来する時も、堆肥や資材を運ぶ時も、二酸化炭素は排出しないと自慢していた。 裏庭では町内食堂の残飯を集めて自分で堆肥を作っていた。 隣近所の住民たちは都市農夫の収穫物を無条件に信じて買ってくれる‘黙って購入’に参加した。

 わが国の都市農作業もぐんぐん大きくなった。 規模では通常の先進国に劣らない。 ハルモニ(おばあさん)たちの抑制できない耕作本能に火が点きながら、コンクリートの間の土の地面が出ているところ毎に菜園の‘創造’を産んだ。 今では明確な進化の気勢が感知されている。 都市農作業2.0時代が開かれている。

ゴミ・石を片づけて‘ゲリラ農作業’
アパートの真ん中を開拓した上岩共同菜園
"品性の良いサンチュ、一ヶ月過ぎても新鮮
菜園会員申請者 とても多いのが悩み"

 19日ソウル麻浦区(マポグ)上岩洞(サンアムドン)の高層アパートが林立している中。 上岩(サンアム)中学校の後方に入ると2300㎡規模の上岩共同菜園が広がっている。 密集したアパート団地の中でこぢんまりと位置した姿が注目を引きつける。 最古参のパク・サンエ(60)氏は今日もしっかりと鍬を持って出ていた。 パク氏の家は上岩ワールドカップパークアパート407棟、菜園とは目と鼻の先だ。 「最高です。 小さな道路を渡れば、すぐ私たちのアパートです。 自動車に乗って二酸化炭素を吹き出す必要もありません。 本当にローカルフードとして農作業ができるじゃないですか。」

 上岩共同菜園の住民代表を務めるパク氏は、5坪余りの菜園に在来種のゴボウ、サンチュ、唐辛子、ナス、大根など各種作物を育てている。 「私たちの菜園は住民63人の共同体です。 5人ずつが一組になって、互いに助け合いながら栽培しますね。 通りがかりのハルモニに‘おいしい’と言われれば、いっぱい包んであげます。 皆が隣人じゃないですか。」

 横でサンチュを間引いていたアン・ビョンス(48)氏は「同じ組の人々どうし、しょっちゅう会って農作業を互いに相談すれば、一緒に生きていく面白味が沸いてくる」と話した。 イ・ホジュン(75)ハラボジ(おじいさん)も、ユ・ミョンジャ(60)氏も隣組の住民だ。 「歩いて菜園まで行き来できるので、とても幸せだ」と口をそろえた。

 昨年の秋、キムチを漬ける季節には‘上岩共同菜園1日市場’を開いた。 純粋有機農法で栽培した大根や白菜を市中の3分の1の価格で住民たちに供給した。 農作業に参加できない隣人と汗の結晶を分け合いたかった。 その時の収益金64万9千ウォンは、すぐ近くのサムドン少年院に寄付した。 今年はキムチを漬ける季節の他にも葉野菜がたくさん収穫できる6月にもう一回市場を開く計画だ。

 上岩共同菜園は元々駐車場用地出、金網の中に放置されていた。 経験20年のベテラン都市農夫であるパク氏がそのまま捨て置くわけがなかった。 2009年から‘ゲリラ農作業’を始めた。 「陽川区(ヤンチョング)新亭(シンジョン)洞に住んでいた時から空き地を見つけて菜園農作業をしていました。 名前は駐車場用地でも、ゴミはいっぱい、草ぼうぼうになっていたのです。 あんまり勿体無いじゃないですか? 黙って無断耕作をしましたよ。 ゴミを片づけ石を取って、少しずつ菜園にしました。 すると人々が一人二人と集まったのです。」

 ゲリラ農作業3年目の昨年、上岩共同菜園は区庁の支援を受けることに成功した。 麻浦(マポ)都市農業ネットワークが立ち上がって区議会で都市農業育成条例を制定したことが大きな力になった。 上岩共同菜園は資金と機械を動員して作った商業的週末農場とは外見からして違う。 住民たちが自ら散らばっていた石を運び、石垣の道と垣根を作り、捨てられた木の枝を活用して立看板と番小屋を作った。 土地の形に合わせて自然に菜園の区画を作った。 農薬と化学肥料を使わない、農産物の半分を寄付するといった厳格な原則を定めて実行に移している。 パク氏のように自分で油粕堆肥を作って使う会員たちも生まれている。

 「私たちは農産物価格暴騰の無風地帯に暮らしています。 昨年収穫した白菜とダイコンで漬けたキムチを今も食べています。」 パク氏は栽培する楽しさとともに都市農夫20年の哲学も披露してくれた。 「私たちの菜園で作ったサンチュは冷蔵庫に一ヶ月を置いても新鮮です。 マートで買ったものみたいにすぐに悪くなりません。 持つべき品性を全部持って育ちましたよ。 農作業をすればするほど、消費者が先に変わらなければならないという信念が確実になります。 農産物を形を見て買うクセを直さなければいけません。 消費者が穴の開いたサンチュを嫌うので、栽培する人々が農薬を多く使うことになるんです。」

 パク氏は上岩共同菜園を持続可能な共同体にしていく夢も見ている。 「共同体になろうとすれば、住民が続けなければなりませんが、それが心配です。 私たちの菜園会員になりたい人々があまりに多いんです。 今年も新規抽選の競争率が6対1でした。 アパートのすぐそばにあるので人気が高いんです。 住民たちにまんべんなく機会を与えながら、共同体を続けられる方法はありませんか?」麻浦(マポ)都市農業ネットワークのク・ウンギョン運営委員長も「今年は既存会員を半分維持して半分を新たに選んだ。 上岩共同菜園が農作業共同体として始まりはしたが、今後どのように持続可能性を確保するかが悩み」と話した。

キム・ヒョンデ先任記者 koala5@hani.co.kr

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菜園情報

分かち合い菜園・教育菜園…遊休地の多様な変身

 韓国土地住宅公社(LH)の遊休地を共同体菜園として活用する。 ソウル加陽(カヤン)大橋入り口の遊休地には教育菜園を作る。 都市菜園の多様な進化が各所で続いている。

 韓国土地住宅公社は5年後に高等学校ができる予定の京畿道龍仁(ヨンイン)のLH興徳(フンドク)地区の土地1万5000㎡を全国帰農運動本部菜園普及所に任せ分かち合い菜園として活用することにした。 器興区(キフング)霊徳洞(ヨンドクドン)興徳(フンドク)聖堂の横にあるこの土地は、この間農薬と化学肥料が乱舞する無断耕作とゴミ不法投棄で醜く放置されていた。 25日分かち合い菜園として開場式を開く。

 ソウル麻浦(マポ)都市農業ネットワークと麻浦区(マポグ)上岩(サンアム)地域の父母たちは加陽(カヤン)大橋入り口の遊休地1000㎡を探して教育菜園として活用することにした。 麻浦(マポ)都市農業ネットワークのク・ウンギョン運営委員長は「上岩(サンアム)9団地と11団地の父母たちが遊休地を発見した。 住民たちの共同体菜園として活用するにはアクセシビリティが劣り、近所の学校と保育園の子供たちの教育菜園として活用しようということになった」と話した。 来月8日に開場祭りを開く。

キム・ヒョンデ先任記者

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/588438.html 韓国語原文入力:2013/05/21 21:18
訳J.S(3351字)

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