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‘都市農夫’ 残飯で生態循環輪 復活

原文入力:2011-02-01午後07:47:32(2023字)
残った食べ物は堆肥として活用…親環境意識 育てる
ソウル、江東区 ‘都市菜園’ 受付 5分で締め切り
農作業法教育も…京畿・大田などで導入計画

ナム・ジョンヨン記者

←去る28日、ソウル、江東区、高徳洞に住むキム・ヒョンスク氏が自宅のベランダに作った箱菜園で農作物を育てている。キム氏の家では食べ残した食物をミミズを活用して肥料にし菜園に撒く。
イ・ジョンチャン先任記者 rhee@hani.co.kr

捨てる食べ物解決法はないのか
③生ごみの根本処方は

伝統的に食物は生態系循環の中心輪だった。人間が捨てた食物は田畑に肥料としてまかれた。 都市化が生態的循環の原形を破壊しただけだ。 最近になって都市でも生態的循環輪が再びつながっている。 まさに ‘都市農夫’ によってだ。

ソウル、江東区、高徳洞のアパートに住むキム・ヒョンスク(55)氏は去る28日、朝ごはんを食べて残った食物を青いプラスチックのバケツに入れた。キム氏は「主に残った野菜や果物の皮などを捨てる」 と話した。バケツには土が入っていて、土の中にはミミズ20匹余りが生きている。 ミミズは残った食べ物を食べ排便する。キム氏はそれを肥料として鉢換えの土に使う。

かぐわしいセリの香りが漂うベランダでキム氏は セリ、サンチュ、ハクサイ、カラシナなどを育てている。草花の箱だけで15個を越える。 「奥深いところに捨てられた植物でも家に持ってきて刺してやれば生き返りますよ。 生命を生かす気持ちで希望が湧きましたよ。」

都市農夫はミミズとも同じだ。 都市に捨てられる食べ物をなくす清掃夫であるためだ。 キム氏も2007年に好奇心で ‘ベランダ農作業’ を始め、昨年には都市菜園での本格的な栽培に乗り出した。 春・夏・秋には一週間に1,2度 菜園に出て行き、ハクサイとダイコンを育てた。 ミミズが生産した糞便土を肥料にすることで生ごみの排出量は3分の1が減った。

江東区は昨年から都市農業に積極的に飛び込んだ。遁村洞の半端な土地を ‘都市菜園’ に改造し226世帯に年会費5万ウォンで16㎡ずつ分譲した。インターネット受付開始5分で品切れになるほど関心は爆発的だった。キム氏のような都市農夫たちは週末に残った食べ物を持ち菜園に出てきた。江東区関係者は「食べ物を持ってくれば石灰を入れ発効させて堆肥にする」 として「ゴミとして捨てられる落葉も堆肥化して供給している」 と明らかにした。

←生ごみ減らす生活習慣

菜園には有機農原則が適用された。 流通期限が過ぎた卵は捨てないで食用油、水に混ぜて親環境農薬を作った。 ある者は作物周辺にハブを植えて臭いで虫を追い出すこともした。 江東区(カンドング)関係者は "まだ多くの人々が食物を持ってくるのに積極的でないけれど、事業が本格化する今年春から増えると期待する" と話した。
江東区は昨年11月 ‘都市農業条例’ を制定し公布した。 民間専門家で構成された都市農業委員会の諮問を受け、親環境都市農業政策を樹立し都市菜園を拡大する内容を含んでいる。 ‘農業アカデミー’ で栽培方法を教えるなど都市農夫たちに対する支援もする。 江東区は今年 江一洞・明逸洞・岩寺洞など3ヶ所に都市菜園を追加で確保し800世帯に分譲し、子供の家・社会福祉施設などに小規模箱菜園を普及させる予定だ。また、2020年までにアパート団地と民間建物屋上などに都市菜園と箱菜園の設置を誘導し19万世帯を都市農家に改造するという目標をたてた。

都市農夫たちはミミズのように残飯をかじって食べて都市で途切れた生態的循環輪をつなぐ。 都市農業は残飯問題を緩和する代案として注目されている。 残った食物を肥料としてリサイクルする次元を越え、住民たちに親環境意識を植え付ける契機とすることにより問題解決の根本的な土壌にしうるということだ。

ソウル、江東区の他に京畿道、大田市など広域自治団体も関連条例の制定に出るなど、都市農業に積極的に飛び込んでいる。 空いている公有地と屋上を菜園として活用し ‘都市農夫学校’ を通じて教育すれば、生ごみを含む環境問題に対して市民の積極的な参加を引き出すことができる。進歩新党政策研究員が昨年調査した結果によれば、ソウル市が所有する田畑(公有地)の中で、最大320haが利用されずにいると推定される。カン・ウンジュ進歩新党政策委員は「区庁所有に分類された裸垈地を含め可能な土地から市民農園の形で運営することもできる」 と話した。 <終わり>

ナム・ジョンヨン記者 fandg@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/461777.html 訳J.S