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現代車、不法下請け 正規職転換を回避…契約職として雇用‘姑息な手’

原文入力:2012/07/02 21:09(2543字)

←全国金属労働組合現代自動車非正規職支会(支会長 パク・ヒョンジェ)が先月26日、勤労者派遣が許されない直接生産工程で派遣勤労者を使った疑い(派遣勤労者保護などに関する法律違反)等でチョン・モング会長を蔚山(ウルサン)地検に告発している。 ニューシス

‘不法派遣2年以下 正規職雇用’8月 法施行を避ける意図
"業務分離させ不法派遣を隠蔽" 非正規職労組 ストライキ 準備

 現代自動車が労組の反対にも関わらず蔚山(ウルサン)工場生産ラインに直接雇用した契約職239人を2日に初めて投入した。 現代車は「社内下請け業者に雇用された契約期間が2年以下である1564人を契約職として直接雇用する予定」と明らかにした。 これに対して現代車が不法派遣にともなう社内下請け労働者の正規職転換を回避し、逆に‘超短期非正規職’を拡大させているという批判が出ている。 現代車が不法派遣を隠すための手続きに入ったという分析も出ている。




■ 法の上に現代自動車

 現代車は不法派遣事業場だ。 去る2004年雇用労働部に続き、今年に入って最高裁、労働委員会までが現代車が表面では請負契約だが実際には元請けである現代車が下請け労働者に対して指揮・監督するなど派遣に該当すると判断した。 製造業では派遣労働が禁止されていて、現代車の場合は不法派遣になる。

 現代車蔚山(ウルサン)・忠南(チュンナム)牙山(アサン)・全北(チョンブク)全州(チョンジュ)工場には社内下請け労働者8000~9000人余りが仕事をしている。 旧派遣法には2年以上派遣労働をした場合、元請け(現代車)の正規職になったものと見なしている。 2007年7月1日に新しく法が変わり、元請けが派遣労働者を雇用しなければならないという義務条項に後退した。だが、政府は不法派遣が日増しに深刻化するや‘2年’という使用期間をなくし、一日でも不法派遣事業場で仕事をした場合、元請けが直接雇用しなければならないという内容で昨年法を改正し、今年8月から施行される予定だ。

 現代車が今回生産工程に契約職を直接雇用しようとするのも8月から施行される新派遣法のためだ。 ウン・スミ民主統合党議員は 「一ヶ月あれば2年以下の社内下請け労働者も正規職になることができるが、現代車がわざと法適用以前に彼らを期間制に変えて派遣法の適用を避けようとしている」と話した。 これに対し現代車関係者は「8月から社内下請け短期契約職労働者も正規職転換訴訟を起こすことができる対象になるが、企業の立場ではこれが負担になって措置を取った」とし「代わりに直接雇用契約職になれば勤労条件が良くなる」と話した。

 特に現代車は新しく採用された契約職の契約期間を最長6ヶ月とし、‘超短期非正規職’を拡大しているという批判が出ている。 現代車非正規職労組関係者は「短期契約の下請け労働者は書類上の契約期間は短くても、正規職の労災や休職など欠員がでるたびに代替をしていて実際に2年以上勤める人々が多い」として「直接雇用の契約職になることにより雇用がより一層不安定になった」と話した。 また、直接雇用契約職1564人中213人は下請け業者の正規職なのに、今回契約職に転換されるので論難が大きくなっている。

 現代車で正規職採用は減って非正規職が増えるという展望も出ている。 現代車労組関係者は「契約職雇用が安定化段階に入り込めば、会社は雇用柔軟性確保次元で正規職採用の代わりに契約職を増やす可能性が高い」と話した。

 このように現代車の一方的な契約職採用で会社と正規職労組、社内下請け労組が共に議論してきた不法派遣関連交渉も先月19日から中断された状態だ。 現代車非正規職労組は5日に争議行為賛否投票を行うことにするなどストライキ準備に乗り出した。

■ "不法派遣隠蔽で労働市場混乱"

 現代車は契約職を採用した後、生産工程の業務方式を変化させる計画を持っている。 自動車を作る時、正規職と共に勤務していた社内下請けの位置に契約職を投入する構想だ。 現代車関係者は「正規職と社内下請けの混在勤務が不法派遣判断の核心理由だったが、業務を分離させ‘適法請負’へ変えるだろう」と話した。

 だが、最高裁判例を見れば、工程を分離するとしても不法派遣要素が消えるわけではないとの指摘が出てくる。 コ・ジェファン弁護士は「最高裁の判決趣旨は、現代車の生産工程がコンベヤーベルトを利用した自動流れ方式で進行されており、下請け労働者が現代車所有の施設および部品を使いながら作業指示まで受けている点などを総合的に考慮する時、不法派遣と判断されるということ」とし「‘業務を分離すれば適法請負’と言い張るのは話にならない」と指摘した。

 現代車の工程分離を通した不法派遣回避は労働市場にそっくり影響を与えるものと見られる。 雇用労働部の資料を見れば、300人以上の事業場で41.2%が社内下請けを置いていて、相当数が不法派遣の疑いを受けている。 パク・ジョムギュ非正規職ない世の中作り執行委員は「10年間、不法派遣をした現代車が社内下請け労働者の正規職転換は‘私は知らない’とし、工程分離を通じて不法派遣を隠そうとしている」として「現代車の労使関係は労働界全体と経営界の‘代理戦’の性格を帯びており、労働市場の混乱を煽るだろう」と話した。

 現代車がこのように不法派遣の正規職化に消極的な理由は、雇用調整の便宜のためだ。 現代自動車グループは現代車だけでなく現代モービス(社内下請け比率70.4%),現代製鉄(42%),現代ハイスコ(48.8%),現代ロテム(20.2%)等、系列会社全般で社内下請けを使っている。 現代車で正規職転換が大挙なされれば系列会社にも影響を与えかねないという判断をしているということだ。

キム・ソヨン記者 dandy@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/540635.html 訳J.S