兵器を売る産業が注目されている。世界的に戦争が非常にたやすく起こっていることで、ほとんどの国が国防費を増やしている。同盟秩序も揺らいでおり、大国に安全保障で依存する時代から自主国防の時代へと転換しつつある。韓国はいつの間にか防衛産業大国となっている。解決すべき課題も少なくない。安保協力の構造を変えるとともに、国内的にも防衛産業のエコシステムを改善していかなければならない。しかし、現時点で投げかけるべき根本的な問いがある。それは「兵器を売りながら平和が語れるのか」だ。
道徳や倫理の次元の話ではない。兵器輸出に関する国際法の順守は義務だ。武力行使を禁じる国連憲章第2条第4項は、直接的な武力行使だけでなく、武力行使を支援する間接的な行為にも適用される。兵器輸出が違法な武力の使用につながった際に、兵器を輸出した国の法的責任を問うた国際司法裁判所の判例も存在する。大韓民国は国際人道法に違反した際に兵器輸出を制限する武器貿易条約に2013年に署名しており、2016年に国内で批准が承認されている。条約を順守すべき法的当事国なのだ。
国際人道法違反を理由に兵器の輸出が停止された例もある。2024年のオランダ高等裁判所の判決がそれだ。オランダの非営利団体(NGO)が、イスラエルがガザ地区で国際人道法とジェノサイド禁止条約に違反しているとして、F-35戦闘機の付属品の供給を停止するよう求める訴訟を起こした。高裁は一審判決を覆し、オランダ政府に対して戦闘機の付属品の輸出許可の停止を命じる判決を下した。これは武器貿易条約を国内法の観点から初めて適用した判決だ。英国でも2024年に、イスラエルへの350件あまりの兵器輸出許可のうち30件あまりが停止された。英国とオランダは米国の強力な同盟国であり、グローバル防衛産業の中心国でもある。
オランダ司法の決定は、兵器輸入国が国際人道法に違反していることが確認されていなくても、違反の可能性がある場合は兵器輸出許可を取り消せることを示した。英国も、兵器輸出許可の再検討の際、イスラエルに国際人道法を尊重し順守する意志があるかを検討すると明らかにしている。
韓国が輸出した兵器が国際人道法に違反したことはないが、可能性のある例はある。イエメン内戦の過程で2016年9月に、ハンファが製造した手りゅう弾が国際人権団体によって発見されたのだ。サウジアラビアに輸出された兵器が流出したと推測されるが、証拠がないためやり過ごされた。2019年には、ロヒンギャに対する民族浄化と人権弾圧の先頭に立ってきたミャンマーの海軍に艦艇を輸出している。市民団体は現在、イスラエルに対する航空・防衛部品の輸出を中止するよう求めている。韓国が輸出した兵器が内戦や人権弾圧、そして他国の侵略に使用されていないかを点検する義務があるのだ。
大韓民国憲法第5条第1項は「国際平和の維持に努めるとともに、侵略的戦争を否定する」と規定している。兵器輸出の透明性、責任、そして人権保護義務は憲法の規範である。国際人道法尊重の観点から、兵器輸出体制を点検し、不十分な点は補完する必要がある。兵器輸出審査の過程では輸入国の政治・軍事的状況、兵器の最終使用者、そして使用目的に関する徹底した評価と検証を行うシステムが必要だ。同時に、輸出された兵器が目的以外に使用されていることが判明した場合は、直ちに輸出を制限または停止できるよう、事後管理体制も具体化しなければならない。
現在、対外貿易法や防衛事業法には兵器輸出の制限を規定する項目があるが、抽象的だ。英国や欧州連合(EU)のような詳細な指針が必要だ。前回の国会に続き、今回の国会でも、国際人権法などに違反した国との防衛産業協力を制限することを目指す対外貿易法改正案が提出されている。公論化の過程を経て、必ず可決されるよう願っている。国際人道法を順守するために国会の役割を強化するとともに、事前審査と事後管理において省庁間の協力体制を改善する必要がある。防衛事業庁ばかりに任せておくべきではない。
冷戦時代の核戦争の危機において、教皇パウロ6世は「平和を望むなら正義を準備せよ」と語った。またも軍備競争の時代だ。防衛産業の輸出の機会であることは否定しない。ただし、利を見ては義を思うという格を忘れてはならない。私たちは戦争を経て分断された体制に生きている。朝鮮半島において平和は抽象的な価値観ではない。平和は長きにわたって熱望されており、現在の日常生活に影響を与えており、持続可能な未来を決定するものだ。世界には大韓民国を「兵器を売る国」ではなく、「平和を作る国」として記憶してもらいたい。「私が人の侵略に胸が痛んだから、我が国がよそを侵略することは望まない」という金九(キム・グ)先生の言葉は今も正しい。
キム・ヨンチョル|元統一部長官、仁済大学教授 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )