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チョ・グク、捲土重来の時【コラム】

イ・ジョンエ|論説委員
祖国革新党のチョ・グク前代表が9日、京畿道平沢市古徳のオリーブヤング・エデュタウン店前の交差点で落選のあいさつをおこなっている=チョ・グク前代表のフェイスブックより//ハンギョレ新聞社

 政治部の新人時代、声帯模写が得意な同僚記者がいた。彼が議員の真似をすると、いつも大きな笑いが起きた。「犠牲」となった議員たちも「いや、私がいつそんなことを言ったんだよ」とにらみつけながらも、嫌がっている様子はなかった。

 ある日、重鎮議員のAが寂しそうに彼に言ったそうだ。「B記者、どうして私のことは真似しないんだ?」 A議員が大統領選挙出馬の準備をしているといううわさが広まっていた時期だった。「キャリアと能力、リーダーシップ、温和な人柄に至るまで、何一つ欠けたところのない『準備のできたリーダー』」だと評価されてもいたが、肝心の次期大統領候補の支持率調査では、彼の支持率はなかなか上がらなかった。「政治家にとっては無反応より悪質なレスの方がましだ」という言葉は真理だ。結局、彼は大統領候補になれなかった。

 十数年前の出来事を思い出したのは、6・3地方選挙の翌日の、キム・オジュン氏のユーチューブチャンネルでの発言がきっかけだった。「どうすればいいのかな。こうなると保守陣営では大統領候補が2人も生きて帰ってくるわけだ。ハン・ドンフンとオ・セフン。そしてこの陣営では、キム・ギョンスとチョ・グクという大統領候補級の人物が落選することになるわけで…」

 今回の選挙で激戦地中の激戦地となったソウルと釜山北甲(プサン・プク・カプ:選挙区名)、京畿平沢乙(ピョンテク・ウル)での汎与党側の敗北の意味を、キム氏はこのように解釈した。彼の言う通り、ソウル市のオ・セフン市長とハン・ドンフン議員、そして慶尚南道のキム・ギョンス元知事と祖国革新党のチョ・グク前代表は、かなり前から野党側と与党側の潜在的な大統領候補として名があがっていた。改めて心の中に根本的な疑問が浮かんだ。「一体どんな人物が大統領にふさわしいのか」

 文民政府(金泳三(キム・ヨンサム)政権)以降の8人の大統領から答えを探してみた。彼らはみな「はっきりとしたキャラクター」で全国的な認知を得ていたという共通点があり、強力なカリスマ性や人間的な魅力、そして個人として強い物語を持っていた。重要なのは、彼らが当時の「時代精神」を代弁していたということだ!

 金泳三、金大中(キム・デジュン)の両元大統領は1970年代から国民と共に軍部独裁政権と闘ってきた「民主化の指導者」だったし、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領は権威主義政治と強固な地方主義に無謀なほど挑んだ「愚かな盧武鉉」だった。李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)、文在寅(ムン・ジェイン)の各元大統領はそれぞれ「経済成長をけん引する成功した経営者」、「朴正熙(パク・チョンヒ)の政治的相続者」、「盧武鉉政治の継承者」というイメージを掲げ、政界の前面に立った。「公平と常識、法治主義者」という偽りの仮面をかぶった尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の泥沼から脱し、今は「行政能力を備えたサイダー実用的政治家」李在明(イ・ジェミョン)大統領の時代だ。

 民主主義「先進国」米国や英国の例をあげて「責任ある政党政治」の必要性を強調するものの、実際には有権者は「アウトサイダー」の方が好きなようだ。政界が信頼させてくれないからだろう。結局、選挙のたびに乱世を打開する英雄、「新たな人物探し」現象が党外で繰り返されてきた。ただし、「旋風」を巻き起こし「すい星」のように登場した新たな人物が、必ずしも大統領候補として最終的に選ばれるわけではなかった。「グローバル外交経験のある中道の統合型の代案」として与野双方からラブコールを送られていたパン・ギムン前国連事務総長が代表的な例だ。彼は2017年1月に大統領選への出馬を宣言したが、たった二十日で「撤退」を表明した。「清廉で革新的な専門家」として旋風を巻き起こした国民の力のアン・チョルス議員は、2012年の大統領選への出馬を宣言したが、民主統合党の文在寅候補に譲った。アン議員はその後、何度か党を移籍した末に、現在は「まだ可能性のある重量級政治家」程度の人物として言及されているに過ぎない。

 多くの人が、汎与党圏の落選した「大統領候補級」の2人の将来を問う。特にチョ・グク前代表については「2位でもなく3位で落選したのだから、事実上、政治的死亡宣告が下されたのではないか」とも言われる。チョ前代表を肯定的に評価していた汎与党圏の人物でさえ、「有権者に呼ばれもしないうちに慌てて出馬したのが失敗だった」と述べている。本人にとっては悔しい面があるだろうが、法の裁きを受けてからさほど時間もたっていないにもかかわらず出馬を強行したため、彼に付きまとっていた「人に厳しく自分に甘い」、「偽善」という嫌なイメージをさらに強めてしまったというわけだ。

 「一度の戦闘で負けたからといって、戦争を放棄するものではない」。チョ前代表は今月4日、フェイスブックでこのように述べつつ、捲土重来(けんどちょうらい)を期した。よく「政治は生き物だ」と言うから、予断すべきではない。ただ現時点では、彼が再び多くの有権者から熱烈に迎えられるかは不透明だ。「自分自身を省みて鍛え直す」と語った以上、チョ前代表には自らが今の時代精神を受け止める器になれるかどうか、真剣に見つめ直してもらいたい。

//ハンギョレ新聞社

イ・ジョンエ|論説委員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1263112.html韓国語原文入力:2026-06-11 18:30
訳D.K

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