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[コラム]「韓国は日射量と風が少ないから」…再生可能エネルギーを殺すうそ

登録:2024-05-01 00:43 修正:2024-05-01 09:04
//ハンギョレ新聞社

 「韓国の再生可能エネルギーの潜在量は、現在の発電量の14倍だというのは本当ですか」

 4月23日に憲法裁判所で行われた気候訴訟の公開弁論で、裁判官たちが投げかけた問いの一つだ。再生可能エネルギーのみで全国に必要な電力をまかなえるだけでなく、14倍にもなるというのは事実かというのだ。「韓国は太陽光や風力の利用にとって不利だ」という言説によって形成された認識だ。現与党、原子力産業界、保守メディアはそう主張している。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領も「韓国の再生可能エネルギーの潜在力は低い」と語ってきたし、韓国原子力学会の会長で慶煕大学教授のチョン・ボムジン氏は今年初め、メディアに発表したコラムで「韓国は太陽と風が十分ではない。同じ太陽光発電パネルを設置しても、電力は米国カリフォルニアの半分も得られない」と述べている。しかし、これは事実をごまかしている。韓国はカリフォルニアより日射量は少ないが、ドイツよりは多い。ドイツは昨年、必要な電力の半分を再生可能エネルギーでまかなった。だから韓国の日射量は「不十分」というほどではないのだ。十分かどうかを語るには、基準をはっきりさせるべきだ。

 韓国エネルギー公団が2年ごとに発行する「新再生可能エネルギー白書」(2020)には、韓国エネルギー技術研究院が計算した韓国の全地域の再生可能エネルギー潜在量が出ている。潜在量は「理論的」、「技術的」、「市場」の3段階に分かれるが、理論的潜在量はいかなる制約も受けない場合のエネルギー量、技術的潜在量は生産地やパネルの効率といった地理的、技術的要因を反映した量だ。計算された値は1万3125テラワット時(TWh)で、昨年の韓国の年間発電量588テラワット時の22倍に達する。憲法裁に提出された値よりも大きい。市場潜在量は経済性を考慮したもので、政策支援や規制要因が反映されるが、年間発電量の1.6倍の926テラワット時だった。しかも水上や山地の太陽光などを除いた保守的な数値だ。

 文在寅(ムン・ジェイン)政権時代に発表された、2030年の発電量に占める再生可能エネルギーの割合を20%にすることを目標とした「3020履行計画」では、太陽光の新規設置量は30.8ギガワット(GW)だった。1メガワット(MW)の太陽光パネルに必要な面積は1万3200平方メートルほどだから、単純計算すれば481平方キロメートルが必要だ。これは韓国の国土の0.4%ほどで、全国のゴルフ場(0.5%)よりも小さい。ゴルフ場と同じくらいの面積に太陽光パネルを設置するだけでも、再生可能エネルギーの普及率は経済協力開発機構(OECD)の平均(昨年23.4%)に迫る。不利だからではなく、単にやっていないのだ。

パク・キヨン|気候変動チーム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/science/science_general/1138781.html韓国語原文入力:2024-04-30 16:58
訳D.K

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