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[社説]韓日関係「速度戦」、日本は前向きな立場示すべき

登録:2023-01-31 01:33 修正:2023-01-31 07:15
30日、日本外務省の船越健裕アジア大洋州局長が外交部アジア太平洋局のソ・ミンジョン局長と強制動員賠償問題について話し合うため、ソウル鍾路区の外交部庁舎のエレベーターに乗っている=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 韓日両政府が日帝強制動員などの歴史問題に蓋をして両国関係の強化への道を急いでいる。韓国政府が早ければ来月にも強制動員賠償の「最終案」を示し、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が日本を訪問して韓日首脳会談を行うという、即席解決シナリオが浮上している。

 韓日は30日、ソウルで外交部局長級会議を行った。この40日あまりで3回目となった局長級会議だが、両国の交渉が大詰めを迎えていることを示すシグナルだとみられる。韓国政府は12日の公開討論会で、日帝強制動員被害者支援財団(財団)が造成した基金で強制動員被害者に賠償金を支払うという案を事実上公式化した。韓国最高裁(大法院)は2018年に賠償金の支払いを日本企業に命じる確定判決を下しているが、この案は韓国政府の傘下財団が韓日両国の企業に寄付金などを募り、日本の被告企業に代わって賠償するというものだ。被害者と支援団体が「屈辱外交」と批判するのは当然だ。

 重要な鍵は日本が握っている。日本は韓日関係を改善する意志が本当にあるのなら、韓国にすべてを押し付けることで済ましてはならない。強制動員の加害者である三菱重工業や日本製鉄などの被告企業を賠償基金造成にいかなるかたちであれ参加させ、日本が歴史に対する謝罪と反省を積極的に表明してはじめて、韓日関係は前に進むことができる。

 共同通信の報道によると、韓国政府の賠償案が確定すれば、日本政府は歴史問題に対する「痛切な反省と謝罪」に言及した村山談話や金大中(キム・デジュン)-小渕宣言を継承するとの趣旨の立場を表明するという。謝罪が形式的なものにとどまってはならない。岸田文雄首相が記者会見を行い、被害者に対する謝罪や今後の歴史教育などを通じて、二度とこのような歴史が繰り返されないようにするとの意思を明確にすることが望ましい。日本政府は「1965年の韓日請求権協定ですべての賠償は解決済み」とする立場ばかりに固執することなく、被告企業が賠償に参加する道を開くべきだ。

 政府は2月中の強制動員解決策の発表、日本の謝罪と韓国に対する輸出規制の解除、韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の正常化などの一括妥結に全力を傾けている。被害者を説得し、彼らの意見を反映して外交を繰り広げていく努力は見えない。強制動員被害者を「障害物」のように考えつつ韓日安保協力などばかりを急ぐやり方では、韓日関係の改善は不可能だということを肝に銘じるべきだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1077583.html韓国語原文入力:2023-01-30 18:54
訳D.K

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