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[寄稿]韓米日三角関係の課題

登録:2022-10-24 06:19 修正:2022-10-24 07:50
キム・ヨンチョル|元統一部長官・仁済大学教授 

米国は今後、中国を抑制するため、在韓米軍と在米日軍の連携を拡大しようとするだろう。 急変する情勢の中で、韓米日が安全保障分野で協力する必要があることは認める。しかし、その過程で守らなければならない原則があるのも明らかだ。米国が国連軍司令部の役割を拡大し、在韓米軍と在米日軍の連携で台湾紛争に介入しようとした時、どう対応するのか。大韓民国の主権と国益、そして韓米同盟の目的を忘れてはならない。
キム・スンギョム合同参謀本部議長が20米日ワシントンDCでマーク・ミリー米合統合参謀本部議長、山崎幸二統合幕僚長との協議後、記念写真を撮っている。前列左2人目からキム・スンギョム合参議長、マーク・ミリー本部議長、山崎幸二統合幕僚長=合同参謀本部提供//ハンギョレ新聞社

 韓日関係は二国間関係ではない。1965年の韓日協定と2015年の「慰安婦」合意は、米国が介入した三国間関係だった。2019年に日本が輸出統制を行い、韓国が軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を延長しなかった時も、米国は強く介入した。情報交流の別の手段があったにもかかわらず、米国はGSOMIAを韓米日安全保障協力の象徴とみなした。陣営対決が激しくなり、朝鮮半島情勢が悪化するにつれ、再び韓米日協力が強化されている。三角関係で私たちは何を得られるのか。

 韓米日三角協力は米国の古い北東アジア地域戦略だ。冷戦時代には韓米と米日両同盟を結びつけ反共戦線にしようとしたため、米国は韓日関係改善に積極的に介入した。現在、ジョー・バイデン政権は「米国に挑戦する唯一の国」である中国を抑制するため、同盟国との協力を強調している。韓米日三角関係を活性化し、韓国の国連軍司令部と日本の国連軍司令部後方基地、すなわち在韓米軍と在日米軍の連携を拡大する構えだ。

 韓国と日本はいずれも国家戦略において米国との同盟を重視している。しかし、韓日両国の戦略の違いは明らかだ。日本は朝鮮半島の現状維持を望んでいる。2000年代半ばの6カ国協議でも、2018年に南北米三角関係が好循環した時も、日本は朝鮮半島平和の道を望んでいなかった。これは今後も変わらないだろう。日本政府は日朝関係の扉が開かれているというが、長年にわたる拉致問題の出口を見つけるのは難しいだろう。外交の国内政治化は、こうしていつも泥沼に陥ってしまうのだ。

 日本は自衛隊と在日米軍の一体化を追求しつつ、「普通の国」への転換を模索している。軍隊と交戦権を持てない「普通でない国」の日本と、「普通の国」の韓国の同盟戦略は当然異なる。韓米同盟は、韓国の安全保障の自主性を重視する。朴正煕(パク・チョンヒ)政権が始めた「栗谷事業」も、盧泰愚(ノ・テウ)政権が提起した「戦時作戦統制権の移管」も、1990年に始まった在韓米軍の基地移転も、韓国の自主国防に向けた意志の産物だが、同時に米国の「韓国防衛の韓国化」という戦略的利害があったからこそ進められた。

 もちろん安全保障の自主性が高まったことで、在韓米軍の役割の変化が新たな争点になっている。在韓米軍は戦略的柔軟性によって「固定軍」から「機動軍」に変わった。2006年、韓米両国は「韓国は米国の戦略的柔軟性の必要性を尊重し、米国は韓国人の意志とは関係なく北東アジア地域紛争に介入することはないという韓国の立場を尊重する」ことで合意した。しかし、この合意はその後16年間、少しずつ形骸化した。ここ数年間、在韓米軍の偵察機が烏山(オサン)基地から出発し、台湾海峡付近の上空と南シナ海まで偵察飛行をした事例が増えている。

 米国は今後、中国を抑制するため、在韓米軍と在日米軍の連携を拡大しようとするだろう。 中ロの共同軍事演習が増加するにつれ、韓米日3カ国の共同軍事訓練の規模と範囲も広がるだろう。急変する情勢の中で、韓米日が安全保障分野で協力する必要があることは認める。しかし、その過程で守らなければならない原則があるのも明らかだ。米国が国連軍司令部の役割を拡大し、在韓米軍と在日米軍の連携で台湾紛争に介入しようとした時、どう対応するのか。大韓民国の主権と国益、そして韓米同盟の目的を忘れてはならない。

 韓米日安全保障協力を新冷戦の陣営戦略に据えるべきという主張もあるが、そう簡単な問題ではない。転換期の知恵は硬直、偏向、理念ではなく、柔軟、均衡、国益だ。韓国は朝鮮半島情勢が悪化した場合、直接的な被害を受ける当事者であるため、韓米日安全保障協力が軍事的緊張感を高めないよう努めなければならない。同盟と協力は理念ではなく利益を追求すべきであり、利益が調和を成してこそ持続しうる。

 韓日関係の争点である歴史問題にも慎重なアプローチが必要だ。1965年の韓日協定と2015年の慰安婦合意は、韓米日の協力を望む米国の仲裁と圧力によって成立した。妥協を望む仲裁者は扱いやすい側にさらなる譲歩を求めるものだ。急げばさらに譲歩しなければならず、それだけ国内の批判に直面し、結果的に合意履行が難しくなる。過去の失敗を繰り返さないでほしい。むしろ日本の「歴史修正主義」に対する米国の批判的立場を活用して、米国を通じて日本の譲歩を引き出そうとする交渉力が求められる。もちろん韓日両国は難しくても忍耐心を持って持続可能な妥協点を探すために努力しなければならない。韓米日三角関係において韓日関係の弱点がまさに「歴史の復讐」であることを、韓米日とも忘れてはならない。

//ハンギョレ新聞社

キム・ヨンチョル|元統一部長官・仁済大学教授

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1063884.html韓国語原文入:2022-10-24 02:39
訳H.J

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