2日に開かれた韓米定例安保協議(SCM)で、韓米の国防長官は北朝鮮の核とミサイル脅威に対応する「作戦計画」を11年ぶりに修正することにした。また、韓米安保協議の共同声明には、台湾問題が初めて明記された。北朝鮮と中国に対する韓米軍当局の協力が強化されるシグナルといえる内容で、韓国政府が進める「終戦宣言」とはかけ離れたものとみられる。
ソ・ウク長官とロイド・オースティン長官は2日、第53回韓米定例安保協議の後に発表した共同声明で、「韓米同盟に対する北朝鮮の脅威をより効果的に抑止し、必要に応じて対応するための軍事作戦計画に指針を提供する」新しい戦略企画指針を承認したと発表した。韓米両国は北朝鮮が南侵した場合を想定して反撃・撃退するための「作戦計画5027」と、局地戦と偶発事態に対応するための「作戦計画5015」を運用しているが、北朝鮮の核とミサイル能力が高度化したことから、これを最新化することにしたのだ。具体的には、北朝鮮潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)と極超音速ミサイルへの対応が含まれるものと予想される。同日の記者会見では「こうした動きは文在寅(ムン・ジェイン)政権が進めている終戦宣言に相反するものではないか」という質問があり、ソ長官は「終戦宣言は政治的・宣言的な意味であるため、戦略企画指針とは特に関係がないと思う」と強調した。
今回の共同声明に「台湾」問題と「5G、6G(次世代移動通信)における協力」が明示されたことも注目される。台湾海峡は米中競争の地政学的最前線といわれており、「5G、6G」は未来の軍事・産業の主導権をめぐる米中先端技術競争の核心分野であるからだ。中国牽制の性格を含めたこのような内容は、今年5月の韓米首脳会談の共同声明に初めて書かれたが、今回これを再確認した。
しかし、韓米軍当局の最高協議体で「台湾海峡の平和と安定」と「5G、6G分野における協力案の模索」が言及されたことは、米中の覇権競争が激化する中、韓米同盟が朝鮮半島を越えて「中国牽制」の方向に動いているものとみなされる可能性がある。韓国は米中のどちらかを選択することはできず、軍事的紛争に巻き込まれてはならないのは言うまでもない。台湾海峡で軍事紛争が発生した場合、朝鮮半島をはじめ東アジアの平和が危うくなるのが避けられない状況で、中堅国として韓国が平和維持のために果たすべき役割に対する韓国社会の合意された原則が求められる。