開幕前に「地球を救う最後かつ最善の希望」として期待を集めた「国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)」は、失望の中で幕を閉じた。
公式の閉会日である12日には終わらず、13日まで難航を繰り返した末に発表された「グラスゴー気候合意」には、石炭火力発電を段階的に廃止することを目指した当初の目標から大きく後退した「段階的な削減」という目標が記載された。気候危機の被害を受ける開発途上国を支援するための富裕国による1000億ドル(約118兆ウォン)の基金の拠出も、またも持ち越された。地球温暖化による気候災害に対する世界的な危機感はいつにも増して高かったものの、未来世代のために世界各国がともに対応しなければならないという理想は結局、各国の利害得失を計算する「各自道生(各々が自らの生きる道を工夫して努力すること)」の壁を乗り越えられなかった。
何よりも2030年代に先進国が、2040年までには全世界で石炭火力発電時代を完全に終わらせることを目指した目標に、インドや中国などが最後まで反対し、内容が大幅に後退した。「開発途上国には責任をもって化石燃料を使う資格がある」と強く主張したインドの要求により、石炭発電の「廃止」は「削減」目標へと変更された。気候危機被害の最前線にある島国が気候対策の後退に怒りを表明すると、アロク・シャーマ議長は「このような展開となったことについて、すべての代表に謝罪」しなければならなかった。富裕国も責任を果たさなかった。これらの国々は「2025年までに開発途上国に対する支援を2倍にする」と約束したが、2009年から民間と公共の資金を合わせて造成することになっていた1000億ドルの基金には、はるかに及ばない。
結局、「グラスゴー気候合意」は「10年間、気候変動への対応に積極的に取り組む」という原則論的水準から抜け出せなかった。「産業革命以前を基準として、地球の気温の上昇幅を1.5度以内に抑える」という目標はかろうじて生き残り、各国はこの目標を実現できるよう「国が決定する貢献(NDC、各国の温室効果ガス削減目標)」を強化し、来年改めて点検することを決めた。パリ協定の実施規則も6年を経てようやく合意され、先進国の国外での炭素削減分を国際的に認め、「国際炭素市場取引」の道を開いた。
各国政府の代表たちは自国の経済的利益を優先し、その結果、地球を大災害から救う時間はさらに短くなった。しかし、気候危機への対応は生存の問題であり、決して放棄することはできない。今回の会議の開催中、グラスゴーに集って地球を救う真の解決策を求めた世界の未来世代の声に、改めて耳を傾けなければならない。各国はいっそう責任ある姿勢で対策を立ててそれを実行し、我々一人ひとりも生き方を変えていかなければならない。