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[社説]「習近平長期政権」開いた中国の歴史決議と韓国外交の道

登録:2021-11-13 07:42 修正:2021-11-13 08:07
12日、北京の中国共産党博物館で、習近平国家主席に関する展示資料の前を観覧客が歩いている=北京/AP・聯合ニュース

 中国共産党が100年の歴史で3回目の「歴史決議」を出した。11日に閉幕した中国共産党第19期中央委員会第6回全体会議(19期6中全会)で通過した「党100年の奮闘の重大な成果と歴史的経験に関する決議」だ。

 これまで中国共産党は、「歴史決議」を通じて党の路線を定め、最高指導者の権力を確立してきた。1945年の「いくつかの歴史問題に関する決議」では、ソ連路線に追従した前任の指導部の過ちを批判し、「中国式社会主義」を主張した毛沢東が終身政権を握る基盤となった。1981年の歴史決議は「人民共和国の創設以来、最も厳しい後退と損失を招いた」文化大革命を批判し、改革・開放を主張した鄧小平の権力を確固にした。今回の歴史決議は、反省と路線の再確立ではなく、中国共産党と習近平主席の「成果」を強調することに焦点を合わせた。来年の第20期党大会で習近平国家主席が3期目を確定し、長期政権に進むことへの正当性を付与しようとする意図だと解釈される。

 今回の歴史決議の全文はまだ公開されていないが、その内容を要約し発表された公報は、習主席の業績に対する称賛で埋め尽くされている。「習近平の『新時代の中国の特色ある社会主義』思想は、現代中国のマルクス主義、21世紀のマルクス主義であり、中華文化と中国精神の時代的精華」だと持ちあげた。約7400字の分量の公報の内容は、習主席の業績に関する分量が2500字程で、毛沢東から胡錦濤までの他の4人の指導者を合わせたものよりも多い。中国共産党の歴史も「毛沢東の時期」「鄧小平とその後継者である江沢民・胡錦濤の時期」「習近平を核心とする中国の特色ある社会主義時代」の3段階に区分し、習近平主席を毛沢東と鄧小平に劣らない中国共産党の3大指導者の隊列に上げた。習近平時代の過去9年間に対しては「歴史的主動精神と大いなる政治的勇気、強い責任感をもって、(…)長年解決したくても解決できなかった数多くの難題を解決し、これまで成し遂げたくても成し遂げられなかった数多くの大事を成し遂げ、党と国家の事業で歴史的な成果を収め、歴史的な変革を起こした」と評価した。同時に、習主席を中心に一致団結することにより「共同富裕」を成し遂げ、米国を追い越し、世界最強の大国になる「中国の夢」を実現できることを強調し、習主席の長期政権の名分を浮上させた。過度な個人崇拝を防止するために導入された「集団指導体制」は消され、最高指導者に権力を集める「集中統一指導」体制が確固となった。

 中国が歴史的転換を通じて示す巨大な変化は、韓国にも大きな問いを投げかける。「習近平時代」の中国が愛国主義を強化し、力で周辺国を屈服させようとする一方で、配慮や包容性は失いつつあるという指摘が出ている。在韓米軍のTHAAD(高高度防衛ミサイル)配備後、中国の報復措置と限韓令、中国の強硬な愛国主義の強化のなかで広がる韓国と中国の「文化宗主国」論争などが続いている。中国内の民主主義と人権問題、台湾に対する中国の軍事的脅威による緊張の高まりなどに対する懸念も広がっている。中国が「中国モデル」を強調し、米国を追い越すという目標を立てた状況では、米中の覇権競争は長く続かざるをえない。韓国は、中国の変化を直視し、中国との協力を持続しながらも、韓国の原則を守っていかなければならない。韓国外交の道は、韓中関係の未来と米中対立が合わさる中長期的ながらも緻密な戦略の上で模索しなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1019138.html韓国語原文入力:2021-11-12 19:27
訳M.S

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