米国と中国の「外交司令塔」が、今月末イタリアで開催される主要20カ国・地域(G20)首脳会議を前に7カ月ぶりに会い、山積している両国間の懸案について話し合う。ジョー・バイデン大統領の就任後、まだ実現していない両国首脳間の対面会談の可能性などが話し合われるものとみられる。
中国外務省は6日、華春瑩報道官の名義で資料を発表し、「中-米首脳が9月10日に電話で交わした共通認識に基づいた議論を経て、楊潔チ・中国共産党中央政治局委員と米国のジェイク・サリバン国家安保担当大統領補佐官がスイスのチューリッヒで会談することを決めた」とし、「双方は中-米関係と関連問題について意見を交わす」と明らかにした。米ホワイトハウスも資料を出し、欧州歴訪に出ているサリバン補佐官がチューリッヒで楊政治局員に会う予定だと明らかにした。ホワイトハウスはこの会合の意味について、「サリバン補佐官と楊政治局員の会談は、先月の両国首脳間の通話に続き、米中間の競争を責任を持って管理するための努力の一環」だとし、「サリバン補佐官はその後ベルギーのブリュッセルとフランスのパリを訪問し、大西洋同盟の重要性を強調する一方、楊政治局員との会談について欧州同盟側に説明する予定」だと説明した。ロイター通信などは、この会合が6日に行われると報道した。
5日の「サウスチャイナ・モーニングポスト」は複数の消息筋の話を引用し「双方が対話チャンネルを再構築し、両首脳が通話を通じて成し遂げた共感を履行することが今回の会談の目的」だとし、「米中首脳会談開催の可能性を打診することも今回の会談の議題の一つ」と付け加えた。しかし、習主席が今回のG20首脳会議に出席しないという報道があり、会談が実現するかどうかは不透明だ。
今年1月末にバイデン大統領が就任した後、米中首脳は2月と9月にそれぞれ1回電話会談を行っただけで、まだ直接顔を合わせていない。この空白を埋めるためにアラスカ高官級戦略対話(3月)やウェンディ・シャーマン国務副長官の訪中(7月)などの高官級接触を続けてきたが、主要な懸案に対する両国間の見解の食い違いのため、激しい攻防が続くばかりだった。その間、ともすれば米中間の武力衝突に発展しかねない「台湾問題」をはじめ、気候問題、朝鮮半島非核化などの重要イシューについても、まともな意思疎通がなされていない。ロイター通信は米国側の専門家の言葉を引用し、「今回の会談で米中関係が雪解けの時期に入ったり、米国が対中国包容政策に転換したりするということはない」とし、「両国間の競争に、より真剣で体系的に対応することが今回の会談の目的」だと指摘した。