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[社説]キム・ヨジョン副部長「終戦宣言は良い発想」、実質的交渉につなげるべき

登録:2021-09-25 02:50 修正:2021-09-25 06:06
文在寅大統領が23日(現地時間)、空軍1号機での帰国途中、同行した記者たちに終戦宣言などの懸案について説明している/聯合ニュース

 文在寅大統領が22日に国連総会の基調演説で提示した終戦宣言提案に対し、北朝鮮のキム・ヨジョン労働党副部長は24日に「良い発想」と述べ、敵視政策の撤回を条件とする南北対話再開の考えを明らかにした。

 キム副部長はこの日発表した談話で「朝鮮半島の不安定な停戦状態を終わらせ、相手に対する敵視を撤回するという意味での終戦宣言は、興味深い提案であり良い発想」と述べた。また「いくらでも、北南間で改めて緊密な意思疎通を保ちつつ、関係回復と発展の展望について建設的な議論を行う用意がある」とも述べた。「敵視政策と不公平な二重基準(ダブルスタンダード)をまず撤回すべき」という条件も掲げた。大統領府のパク・スヒョン国民疎通首席は24日、YTNの番組に出演し「いま分析しているので、我々の対応や政府の立場を述べるには早すぎる」としつつも「非常に意味があり、重く受け止める」と述べた。

 終戦宣言は、1953年の停戦協定により「中断」している状態にある朝鮮戦争を、南北と米国、中国などの当事国が終わらせると宣言し、終止符を打とうという「政治的宣言」だ。2019年2月のハノイ朝米首脳会談の決裂で動力を失った終戦宣言を、文大統領が今回の国連総会で再び提案し、北朝鮮が条件付きで応じたことで、南北および朝米交渉再開の扉が開かれる可能性が出てきた。

 文大統領は23日、米国訪問を終えて空軍1号機での帰国途上、機内で終戦宣言について「関連国は消極的ではない」と述べた。また、一部で提起されている終戦宣言と在韓米軍の撤退が連係する可能性について一蹴し、終戦宣言を起点とする平和交渉と非核化交渉の「ツートラック交渉」の必要性を強調した。

 米国と中国も終戦宣言に対して原則的な支持の意思を明らかにしており、朝鮮半島の緊張の高まりを防ぐ対話再開の必要性に共感する雰囲気も生まれている。「朝鮮半島の完全な非核化を追求するため、真剣で持続的な外交を模索する」という対北朝鮮政策の原則を再確認したバイデン大統領は、北朝鮮核問題の解決に向けた交渉再開を望んでいる。来年2月に北京五輪開催を控えた中国も、朝鮮半島における「中国役割論」を活用しようとしている。米中戦略競争は熾烈だが、朝鮮半島の状況に関しては積集合が形成されうるということだ。

 北朝鮮はこれまで、韓米が提案してきた人道支援には応じずに北朝鮮に対する制裁の緩和を求めてきた。しかし、北朝鮮が本当に制裁問題の解決を望むなら、まず核活動再開の動きを止め、無条件に対話と外交の道へと進み出さなければならない。政府には「任期内の終戦宣言」に縛られることなく、国際情勢を冷徹に判断しつつ、朝鮮半島の平和と非核化を実質的に進展させる外交を推進することを願う。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1012661.html韓国語原文入力:2021-09-24 18:40
訳D.K

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