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[社説]東アジア「新冷戦」の軍拡競争に冷徹に対応すべき

登録:2021-09-18 02:35 修正:2021-09-18 06:19
今月15日、韓国が自社開発したSLBMが300トン級潜水艦の島山安昌浩艦から打ち上げられている=国防部提供//ハンギョレ新聞社

 9月15日は東アジア情勢の重要な分水嶺として記録される可能性が高い。この日、北朝鮮は列車から短距離弾道ミサイルを発射し、韓国は世界で7番目に潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験に成功した。同日、米国、英国、オーストラリアの首脳は中国牽制を念頭に置いた3カ国安全保障の枠組み「オーカス(AUKUS)」の結成を発表した。米中の新冷戦と北朝鮮の核・ミサイル問題などを背景に、東アジアで軍拡競争が本格化する兆しが現れている。

 北朝鮮は今年1月、朝鮮労働党大会を通じて超大型核弾頭、戦術核などの開発方針を明らかにする一方、最近は長距離巡航ミサイルと短距離弾道ミサイルを相次いで発射し、武力誇示のレベルを高めてきた。韓国も国防予算を大幅に増やし、先端兵器開発に拍車をかけている。2022~2026年の国防中期計画には、ステルス戦闘機(F35)の導入完了や6000トン級の次期駆逐艦(KDDX)の開発、3万トン級の軽空母確保など大規模な軍備増強計画が盛り込まれ、国防費は2024年に60兆ウォン(約5兆6千億円)台、2026年には70兆ウォン(約6兆5千億円)台に増加する見通しだ。

 米中対立が加速化し、北朝鮮の核開発と日本の再武装が実現する状況で、韓国も「戦時作戦統制権の移管」と共に、軍備を増強するのは避けられない面がある。「自主国防」と「軍備増強」は切っても切れない関係にある。しかし、アジア太平洋諸国が軍拡競争に乗り出せば、韓国の究極的な目標である東アジアの平和と安定を実現するのは難しくなる可能性が高い。朝鮮半島平和プロセスの再稼働も困難になる矛盾に直面することになる。

 アフガニスタンからの撤退で「テロとの戦い」に終止符を打った米国は、同盟国が「中国の脅威」に対抗して自らの役割を強化するよう求めている。バイデン大統領が15日に英国やオーストラリアと「オーカス」創設を発表し、これまで英国以外には共有しなかった原子力潜水艦の推進技術をオーストラリアに支援することにしたのは、こうした象徴的なシグナルといえる。今後、日本をはじめとする米同盟国の軍備強化はさらに急激に進むだろう。韓国は、このような国際情勢の変化を冷静に見つめ、韓国に必要なことを実践していかなければならない。戦力強化が無分別な国防費の拡大につながったり、南北関係の悪化の悪循環に巻き込まれることのないよう、冷徹に戦略を立てなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1012075.html韓国語原文入力:2021-09-17 02:33
訳H.J

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