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[社説]韓国政府はOECD諸国中最悪の男女賃金格差とキャリア断絶の対策を

登録:2021-09-02 06:11 修正:2021-09-02 07:55
ゲッティイメージバンク//ハンギョレ新聞社

 韓国の上場企業の女性労働者の平均賃金が男性労働者より35.9%も少ないことが、調査の結果分かった。女性家族部が2149社の上場企業の事業報告書を土台に昨年の男女の賃金格差を分析した結果だ。出産や育児などによるキャリアの断絶と、依然として強固な「ガラスの天井」などが原因に挙げられる。働く女性の雇用維持のための努力とともに、「男女平等公示制度」のような制度的補完も急がなければならない。

 女性家族部が1日に発表した「2020年性別賃金格差」調査結果によると、男性1人当たりの平均賃金は7980万ウォン(約760万円)、女性は5110万ウォン(約490万円)で賃金格差が35.9%に達した。男性が100万ウォン(約9万5千円)の給料を受け取る場合、女性は64万1千ウォン(約6万円)しかもらえないという意味だ。2019年(36.7%)よりは小幅に縮小したが、韓国の男女の賃金格差は経済協力開発機構(OECD)諸国の中で最も大きい。英国のニュース週刊誌「エコノミスト」が今年3月に発表した「ガラスの天井指数」の調査結果によると、韓国の男女の賃金格差(中位値基準)は32.5%で、OECDの平均賃金格差(12.8%)の2.5倍に達した。

 女性家族部は男女の賃金格差の主な要因として「勤続年数」を挙げた。女性家族部の調査で、男性の平均勤続年数は12.2年である一方、女性は8.2年にとどまることが分かった。男女の勤続年数の格差は32.6%と、賃金格差とほぼ同じ水準だ。実際、今回の調査で男女の勤続年数の格差が大きい企業ほど賃金格差も大きいと分析された。これは、賃金格差を縮小するためには働く女性の雇用維持が急がれるという事実を示している。

 女性の管理者の割合を増やし、企業で女性の「代表性」を高めることも必要だ。女性の賃金が男性より低いのは、管理者に昇進した女性の割合の低さに起因する側面も大きいからだ。女性家族部が先月発表した資料によると、国内上場法人の女性役員の割合は5.2%にとどまった。OECD平均(25.6%)の5分の1水準だ。男女の賃金格差と役員の割合などを評価するエコノミストの「ガラスの天井指数」調査で9年間最下位になったのには、それだけの理由がある。

 男女の賃金格差の主な要因である女性のキャリア断絶を防ぐには、育児休職の実質的保障をはじめ、母性・父性保護制度を拡大するなど、政策的努力も切に求められる。同時に賃金はもちろん、職務や昇進、雇用形態など「性別格差」のデータを公開する「男女平等公示制」を導入する案も積極的に検討する必要がある。

(お問い合わせjapan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1010116.html韓国語原文入力:2021-09-02 02:40
訳H.J

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